紙面ができるまで 編集記者・川西もゆらさん

見出しやレイアウト 感覚大事に、読みやすく

 毎週、学生記者が取材し、記事にしている「キャンパる」。学生記者の執筆した原稿が、どのような過程を経て紙面に掲載されるのか。15日からの新聞週間に合わせて、毎日新聞社のさまざまなルートを経て読者に届けられる裏側の一部を紹介する。今回、紙面のレイアウトを担当する編集記者の川西もゆらさん(41)、そして原稿の表現や誤りを厳しくチェックする校閲記者の渡辺静晴さん(60)に、それぞれ話を聞いた。


 川西さんは、2003年から編集を担当。キャンパるの紙面も、数多く編集している。記者の記事も、何度か担当していると聞き、今回インタビューを申し込んだ。

 編集は、記者が書いた原稿や写真、図表や見出しなどを紙面上に、読みやすく配置する仕事だ。記事の文字の大きさや、見出しの付け方など、新聞のレイアウトには決まり事も多いが、自身を「感覚派」という川西さん。ぱっと見たときの印象を重視し、読者の興味をひくデザインを心がけている。

 真っ白い紙の上に、自由に絵を描くイメージで、編集をしているという。縦書きが多い新聞記事であえて横書きを多くしてみたり、写真の上に文字を載せてみたりと、果敢に新しいレイアウトに取り組んでいる。

川西さんが最初にレイアウトした、おすすめ本特集(2015年9月15日)

 そんな川西さんにとってキャンパるは、ほかの紙面よりも自由にレイアウトに挑戦できる場だという。春秋定番の「おすすめ本」特集の本棚に本が並ぶレイアウトは、川西さんが考案したものだ。また、今年の2月12日に掲載されたロープスキッピング(スポーツ競技としてのなわとび)の記事では、大胆に記事全体を縄で囲った。その分余白もできるが、読者の目を引き、記事の内容が視覚で伝わるデザインだ。

 一つの紙面にかけられる時間は、1時間ほど。キャンパる紙面だけでなく、毎日、たくさんの紙面を編集するため、引き出しの多さが求められる。レイアウトを学ぶ時間をとるのは難しいが、電車の中づり広告や、書店に平積みされた本の表紙を見渡し、美容室で女性誌をめくるなど、常にアンテナを張って引き出しを増やしているという。

 入社時は、営業で広告を担当した。だが、突然異動を命じられ編集の仕事に。畑違いの業務に戸惑い、辞めようと考えたこともあったという。それでも、次第に編集の仕事に慣れ、自分の仕事を評価してもらえるようになった。そうしたことの積み重ねが、ここまで続けてこられた理由だと話す。

 新聞編集に必要な資質を聞いた。「決まった校則のなかで、スカートをちょっと短くする感じ」と、独特な表現。決められた編集ルールを守りながら、いかに編集者の個性を出せるかが重要なのではないかと話す。川西さん自身は、高校生時代、片腕に腕時計を3本もつけていたという。「着用が認められていた腕時計をアクセサリー代わりにした。校則を守りながらの、自分なりのおしゃれは、周りの生徒にもはやった」そうだ。

 そんな川西さん、今月から紙面ではなくウェブ版の編集を担当している。ウェブに力を入れる会社の期待を担ってのことだろう。今まで担当した紙面を振り返ってもらうと「自分の好きなようにレイアウトしたものは、やっぱり好きですね。愛着があります」。今後も、見た人に「自分(川西さん)がやった仕事」だと気付いてもらえるような仕事をしたいと話す。

 最後にキャンパる記者へ伝えたいことを聞いた。「新聞だからといって、無理して難しい言葉を使わなくていいと思う。もっと自分の経験則を生かして、自由に記事を書いてみてもいいのでは」と、個性を大事にする川西さんらしいアドバイスが心に残った。【東洋大・佐藤太一】

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