読見しました 本の虫が復活(山本)

読見しました

 幼稚園の頃からゲームやテレビよりも絵本派だった私。中高生の頃は通学の電車内が絶好の読書タイムで、ジャンルを問わず1カ月に30冊は読破していた。学年の貸出冊数ランキングで1位を取ったこともある。

 だが大学に進んでからは、本の代わりにスマホを見る時間が格段に多くなってしまった。また受験の現代文で速読の癖がついてしまい、読書を純粋に楽しむ生活からはかけ離れていくばかり。それでも、図書館で本を物色する癖は抜けないからどうも悩ましい。

 「すてきな装丁だな」「心ひかれるタイトルだ、面白そう」。読み切れないと思っても、そんな気持ちが頭をよぎると何でもかんでも手に取ってしまうのだ。そして案の定読み切れず泣く泣く返しにいく。でも気が付けば、また新しい本を手にしているのである。

 しかし最近、少しずつ読書がはかどるようになってきた。理由は就職活動の落ち着きと、懐かしい本との「再会」だ。初めて出合う本はなかなか読み進められなかったので、中高時代の愛読本に手を伸ばしてみたのだ。「あったあった、このシーン!」「あれ、結末こうだっけ」。大好きな作家が描く、演劇に青春をささげる人々の物語が読書の楽しさを思い出させてくれた。

 今は、懐かしい本と初めての本を、交互に読むことにはまっている。【早稲田大・山本ひかり、イラストは成城大・新井江梨】

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