今年4月に日記を始めた。手帳に1日3行。日記をつけるのは人生で5度目だが、1カ月と続いたことがない。それがもう10月だから、かなり続いているではないか。そう思って手帳を開くと、2週間分の空白が私を迎える。
この空白をどう埋めようか。直近の5日ほどと、何かイベントがあった日は記憶が鮮明だから記入できる。次に脳をフル回転させ、友達との会話、自分の感情を思い出し、何日分か書き足していく。それでもまだ隠れている思い出たちは、スマホの写真フォルダーを開いて見つけ出す。しかしおいしかったご飯や、うまくできた自作料理の写真が並ぶばかり。いやいや、料理のことばかり書いてどうするんだ。結局授業のノートを振り返り、その日に学んだことを書いて着地する。
本来なら、一日の終わりにその日を振り返って書くのが理想。そうすればこんな思い出クイズみたいなことに時間を割かなくて済む。でも誰かに見せるわけではないのだから、そんなに気合を入れて書かなくてもいいよ、という自分も顔を出す。その気楽さが、今まで日記が長続きしない理由でもあったのだが。
なんとか今回日記を続けているのは、思い出を自筆で残したいということと、継続力をつけたいという思いから。少しの時間でも日々確保して、日記を継続できる人には自分を律する力があると感じるのだ。無理に自分を理想に近づけなくてもよい。だが、今の手帳を使い終わるまで、少し間隔が空いても継続力を鍛えてみたい。【日本女子大・鈴木彩恵子】