新聞配達でのやりがい

すた・こら

 私は、大学1年生の頃にバイトで新聞配達をしていたことがある。小学生の頃から新聞を読むことが好きだったという単純な理由で、新聞を各家に届けるだけの易しい作業だろうと考えていた。

 しかし、いざはじめてみると、安直な考えはすぐ修正せざるを得なかった。朝刊の配達で担当したのは200戸ほど。慣れないうちは、家を間違えたり、配達し忘れたりしてお怒りを受けることもあった。嫌だったのは、雨の日の配達。新聞がぬれないように一部ずつ袋がけする手間が大変で、不慣れなバイクで路面にも気を使わなくてはならない。転んで新聞をダメにしてしまった時の絶望感は相当のものだった。

そんな中でも、まれに配達先で「ありがとう」とねぎらいの言葉をかけられるとうれしかった。最初は想像以上の大変さで辞めたいとも思ったが、自分が届けた新聞を読むことが誰かの朝の習慣の一部になっているかもしれないと想像すると、配達を頑張れる自分がいた。いつの間にかやりがいを感じて段々と楽しくなり、大学の授業と両立が難しくなり辞めるまでの半年間、一生懸命取り組むことができた。

 間近に迫る職業選択で、自分が志望していた会社に就職できたとしても、実際の仕事内容が事前のイメージと異なることがあるかもしれない。そんな時は新聞配達の経験を思い出したい。落胆することはあっても、その仕事の中でやりがいや目標を新たに見つけ、努力することで仕事を楽しいものにできると気付かされたからだ。【日本大・田野皓大】

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