新人記者、今思うこと/下

新人コラム

 今回も、前回に続いて「キャンパる」編集部の一員となった新人学生記者のコラムをお届けする。これからさまざまなテーマで取材に取り組み、記事執筆する新メンバーそれぞれに「今、思うこと」をつづってもらった。【まとめ、上智大・古賀ゆり】

苦手に立ち向かう

 私は人前で話すことが苦手だった。人前に立てば頭は真っ白になり、言葉が出てこない。グループ討議でひと言もしゃべれないなんてこともよくあった。

誰かのために働くことは嫌いでなかったから、マネジャーやスタッフなどの裏方業務は好きだった。「キャンパる」にも「誰かの発信を手伝えたらいいなあ」くらいの軽い気持ちで応募した。でも、初の見学で私は怖くなった。発表者は記事で取り上げるべき案件を提案し、出席者全員がそれに意見を述べている。どれも私が苦手とすることだった。

 苦手と向き合うか否か。悩み抜いて私が選んだのは、入会して向き合おう、という結論だった。「キャンパる」は挑戦する人を取材し支える場所なのだから、私も挑戦しないといけないなという妙な責任感もあったような気がする。まだ発言する時は変な汗が出るし、声は震えている。課題は山積みだが、今までだったら苦手なことは遠ざけていた自分が、さまざまな壁に立ち向かう人たちを、記事として発信し支えるために選んだこの道。自分の選択を後悔しないように過ごしたい。【昭和女子大・薄井千晴】

「勉強」で広がる視野

 私は勉強が嫌いだった。勉強なんて学歴を得るための手段でしかないと思っていたし、どれだけ必要性を説かれても、今ひとつ納得することができなかった。

しかし大学への受験勉強を経て、以前とは明らかに見える世界が異なっていることに気づいた。今まで気にも留めなかった建物に、実は深い歴史がある。そのことを学んでから、ただの背景でしかなかったその建物が、私の世界を構成する重要な要素として浮かび上がってきた。

 日常生活で見えるもの、聞こえる言葉、それぞれに意味がある。モノクロだった私の世界が、鮮やかに彩られていくのを感じた。勉強をすれば視野が広がり、その分見えるものも多くなる。新しい知識や視点を学ぶことに対し、喜びを感じるようになった。

大学生になり、嫌いだった勉強に前向きに取り組むことができるようになって、これまでよりもさらに深い学びを得られるようになった。自分の人生を豊かにするためにも、与えられたこの貴重な4年間を意義あるものにしていきたいと思う。【法政大・園田恭佳】

人と関わり不安解消

 私は高校生の時、将来のことで不安に感じることがよくあった。別に運動神経や頭が格別良いわけではない。そんな自分にできる仕事はあるのだろうか、自分の良さはなんだろうかと考えていた。

 そんな時、市の広報紙で商店街活性化ボランティアの募集を目にした。私自身、毎日高校へ通う際に商店街を通っており、以前から多くの店のシャッターが閉まった光景に寂しさを感じていたこともあり、思い切って申し込むことにした。

 実際に参加してみると、まちの幅広い年齢のさまざまな職種の人が活動をしていた。私も活動に携わり、イベントの主催など、なかなかできない経験を地元ですることができた。

 活動を通して多様な人と関わるなかで、人とのコミュニケーション能力がある点など、自分だけでは気づかなかった長所を自覚した。そして将来に関する不安は消えていた。身近なことでも興味や関心があるものに積極的に関わること。そして多くの経験をすること。それが、将来を考える上での第一歩になるのだと気づかせてくれた。【日本大・田野皓大】

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