すたこら:「嵐」と私

 それは突然のことだった。うとうとしながらテレビを見ていると、速報が入った。画面には「嵐が2020年12月31日活動休止を発表」の文字。ついにこの時が来たか。

 先輩グループの解散、年齢や忙しすぎるスケジュール。活躍が広がるほど、いつか「終わり」が来る予感はしていた。それでも、現実を突きつけられると冷静ではいられない。それは心のどこかで、永遠を願っていたからだろう。

 人生の約半分を熱烈なファンとして過ごす中で、彼らは憧れのアイドルという枠を超えた存在になっていた。仕事への真摯(しんし)な姿勢や、にじみ出るメンバーへの思いやりから、社会に出るうえで大切なことを学んだ。ファン活動を通して、身震いするほどの幸福感や、胸がえぐられるような感情を知るなど、数々の経験もさせてもらった。

 先日デビュー20周年を迎えた彼らには今、変革期が訪れている。インスタグラムやツイッターの使用、結婚の発表など、これまであり得なかったことが一気に押し寄せた。喜びを感じる一方、むなしさを覚えることも増えた。幻のような存在が急に現実的になり、心がついていかない。

 国を代表するほど大きくなった彼らにとって、たった一人の存在はちっぽけなものかもしれない。そっと離れ、遠くから見守る選択肢もある。だが私はどんな思いを抱いても彼らのファンを全うしたい。そうすることで初めて、これまでの自分にけじめをつけられると思うから。【早稲田大・廣川萌恵】

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