すたこら:就活が怖い

 就活が苦しい。

 大学3年生も終わりに近づき、周りも就活に本腰を入れ始めた。慣れないスーツを身にまとい企業の情報収集にいそしんでいる。

 就活への意識が高い学生を多く見かけた。何歳でこの役職まで就きたい、起業経験を生かしたいなど与えられた短い時間でアピールする学生たち。正直、何度も圧倒された。自分も負けてはいられない。

 逃避したくなる気持ちにもなる。今圧倒している人たちと、凡庸な自分。肩を並べて戦うことができるのだろうか。覚えきれないぐらいの志望企業群。なぜ自分が就活をしているかすらわからなくなってくる。もう早く終わりたい。慣れない靴で歩き回るせいで足もぼろぼろ。いつまで続くのだろう。自分だけ取り残されたらどうしよう。何度もサジを投げたくなる気持ちになった。

 ただ、心強いことに自分を陰で支えてくれる人がいる。

 「就活でかかるお金、頼っていいから」。そう言い、お金をさりげなく補助してくれる親。いつでも仕事を休んでいいと言ってくれるアルバイト先の人たち。現状のつらさを共有できる友人。アドバイスしてくださる大学の先輩方。この応援してくれる人たちの期待には応えたい。

 以前まで失敗することに慣れていない分、失敗が怖かった。もうそんな逃げ腰な自分ではいけない。自分が納得するまで諦めず、挑戦し続けたい。【大妻女子大・中嶋美月】

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