<読見(どくみ)しました>
私はこの世に生を受けてからの20年間、ずっと血液型はA型だと思い込んでいた。検査を受けたことは一度もない。ただ、その頭の固さと心配性な性格から、両親をはじめ、多くの人からそう言われ続けてきたのだ。親の血液型を考えるとA型以外の可能性があるにもかかわらず、どうせそうなのだろうと信じて疑わなかった。
しかし最近、血液検査を受けた際に驚きの事実が発覚した。なんとAB型だったのである。信じていたことが突然覆され、思わず看護師さんに「A型ではなくて?」と聞き返してしまった。「雰囲気」を「ふいんき」ではなく「ふんいき」と読むことを初めて知った時の衝撃を思い出した。Advertisement
ふと振り返る。これまで幾度となく行ってきた血液型占いは一体何だったのか。自分の思い込みで見当違いな結果を導き出していたと思うと、なんともばからしく感じる。何の根拠もない中、どうしてこれほどまで信じ込んでいたのか、今となっては謎のままだ。
よく考えてみると、A型ならではとされる特徴全てが自分に当てはまっているとも思えない。結局、性格で血液型を判別することはできないのだ。これからは自分の長所や欠点を血液型のせいにせずに、伸ばすも直すも自分次第と思って生きていこう。そう思う半面、今もどこかでAB型らしさを意識してしまう自分がいる。【法政大・園田恭佳、イラストも】