新人記者、年の瀬に思うこと

新人コラム

 コロナ禍の出口が見通せない。そんな状況が依然として続いている。そうした中、「キャンパる」メンバーの顔ぶれに変化があった。年の瀬を控えた今、新たに仲間となった3人の学生記者に「今、思うこと」をつづってもらった。【まとめ、大正大・中村勝輝】

私の話に耳傾けてくれた友(新井)

 2022年も残りわずか。今年は、衝撃的なニュースを耳にする機会が今までで一番多かったように感じる。特に、長引くロシアによるウクライナ侵攻は私の胸に深く突き刺さった。連日報道される侵攻状況や膨大な数の死者。人を無差別で襲う暴挙に憎悪の念を抱いた。

 そしてニュースが伝える現地の悲惨な状況を熟読し続けるうちに、私自身も気分が落ち込み、強い不安感に襲われるようになった。荒廃した見知らぬ土地で何かから逃げる夢まで見た。つらい気持ちは高まるばかり。心身の不調が限界に達した時、思い切って友人に相談した。

 彼女は私の考えや行いを否定せず、終始私の話に耳を傾けてくれた。そして彼女のアドバイスを受けて少しずつ、ニュースをあえて見ない時間を設けた。すると自然と心が軽くなり、悪夢も見なくなった。

 私も彼女のように、苦しむ相手の気持ちに寄り添うことはできるだろうか。私は学生記者として多様な価値観を尊重できるようになりたい。【成城大・新井江梨】

完全燃焼したい(佐野)

 「入学した時からコロナ禍でかわいそう」。そう声を掛けてくる年上の方々に、何度苦笑で応えただろう。大学生活が理想とかけ離れていることなんて、自分が一番分かっている。なのに傷口に塩を塗るようなことを言われると、余計に自分が哀れな存在に思えてくるのだ。

 私は、2020年4月に大学生となった。人生の夏休みを全力で楽しむつもりだったが、思い通りにはいかなかった。3年生になってやっと思い描いた生活が送れるようになったかと思えば、もう就職活動の時期。夏が過ぎるのはあっという間だ。

 私が「かわいそう」と言われるのが嫌なのは、全力で向き合った時間が少ないという自分の弱みを、見透かされているような感覚になるからだ。私が本当にかわいそうな存在なのか、そうでないか。どちらの目が出るかは、残りの大学生活で完全燃焼できるかどうかにかかっている。「1日を全力でやり切る、それを積み重ねる」。そんな強い気持ちを胸に過ごしていきたい。【日本女子大・佐野日向子】

エントリーシートに向き合う(山口)

 時間を持て余していた昨年の冬とは打って変わり、今年は企業説明会や入社試験の予定に追われながら年を越すことになりそうだ。

 大学に入学してからあえて遠ざけていた「就活」という言葉。けれど先輩から「早めにガクチカ(学生時代に力を入れて取り組んだこと)のネタは作っておきな」と助言をもらう度、就活が頭から離れなくなった。不安からの解放を求め、3年生になる前から就活準備に着手した。

 エントリーシートの「あなたが創りたい未来は?」という問いに、何度も心が折れた。しかし言葉を振り絞り、他者からの共感も得たことで、未来への希望が芽生えた。面接練習は、ふがいなさが明らかになるばかりで逃げ出したくなった。それでも数を重ねるうちに「思いを真っすぐ言葉にできる」といった強みがあることに気づくことができた。

 就活に目を背けていた頃よりは確かに、将来へ向かって進めているのかもしれない。そんなことを思いながら、私はまたエントリーシートに向き合うのだ。【大正大・山口結衣】

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