大学1年の秋、授業中に一つのドキュメンタリー番組を視聴した。フリージャーナリストの山本美香さんを題材にしたものだ。山本さんはシリアで取材中の2012年8月20日、銃撃に遭い亡くなった。視聴した番組の冒頭では、銃撃時の映像がそのまま使われている。その番組を見たときから、「シリアにいつか行ってみたい」と思うようになった。
今年の8月、シリアに渡航した。山本さんが亡くなって10年という節目の年に、彼女がどのような場所で殺害されてしまったのか、この目でどうしても見てみたかった。レバノンからシリアの首都ダマスカスを経由して、北部の都市アレッポに入った。シリア内戦に軍事介入したロシア。道中では、ウクライナへの軍事侵攻で世界的に知られるようになった「Z」の文字が白色で塗装され、ロシア国旗を付けた軍用車両も目撃した。
今年の8月、シリアに渡航した。山本さんが亡くなって10年という節目の年に、彼女がどのような場所で殺害されてしまったのか、この目でどうしても見てみたかった。レバノンからシリアの首都ダマスカスを経由して、北部の都市アレッポに入った。シリア内戦に軍事介入したロシア。道中では、ウクライナへの軍事侵攻で世界的に知られるようになった「Z」の文字が白色で塗装され、ロシア国旗を付けた軍用車両も目撃した。
山本さんは銃を持つ兵士だけでなく、戦争に巻き込まれた女性や子どもへの取材も精力的に行っていた。「平和」という目的を達成するため、山本さんの取った手段は、「戦地にいる市民への取材」だったのだろう。アプローチの方法は山本さんとは違うかもしれないが、平和な国に生まれたひとりとして、平和に寄与する活動をしたい。【上智大・沖秀都】