写Now コロナ下の大学、変わる日常 全メニュー3割引き

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴うアルバイト先での雇い止めやロシアのウクライナ侵攻、円安に伴う光熱費・食品価格の高騰などの影響を受け、経済的に困窮する学生が増えている。東京経済大(東京都国分寺市)はこうした学生を支援すべく、9月21日から、大学食堂の約30種類の全メニューを30%引きで提供する取り組みを開始した。

 30%引きは、食堂を運営する同大生協に同大が割引分を支払うことで実現した。提供時間、利用者に限定がない「全国で初の取り組み」という。

 実施を後押ししたのは、同大学生課が6月から行った食に関するアンケート(525人回答)で、苦境を訴える回答が続出したこと。特に厳しいのは1人暮らしの学生で、食費を中心に生活費を切り詰める学生が多くいたという。同大総務課の橋本博一課長(48)は「昼食代の出費もためらうような学生を少しでも救いたい。健康的な食生活を保ち、有意義な学生生活を送れるよう願っている」と説明した。

 学生の反応は上々だ。遠藤貴博食堂長(40)は「食堂に足を運ぶ学生が増え、安い安いと喜ぶ様子が多く見受けられるようになった」と食堂の雰囲気の変化を語る。食堂を訪れた経済学部3年の上甲七海さん(20)は「生活費の負担軽減につながり非常にありがたい。これからもっと食堂を利用したい」と話した。

 30%引きは「当面の間」実施予定で、橋本課長は「できる限り長く続けたい。一人でも多くの学生に利用してほしい」と語る。同大ではこのほか、特に生活が厳しいと認定した学生には同食堂で利用可能な5500円分のクーポンを配布する取り組みも始めている。【国士舘大・太田響、写真は成城大・新井江梨】

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