すたこら 笑顔

すた・こら

 最近、カフェでアルバイトを始めた。爽やかな笑顔で接客し、手際よくドリンクを作るエプロン姿の店員に、高校生の頃から憧れていたからだ。

 まず任されたのは、レジ打ちとコーヒー豆の管理、そしてお客さんに軽食を手渡す仕事。しかし私はいきなり苦戦した。複数のことを同時にこなすことが、元々苦手だったからだ。電子決済の方法がさまざまあり、処理方法の理解が追いつかない上にレジのキーの位置も把握できておらず、レジ打ちでまごまごする。さらに豆の管理などもしなければならないとなると、私の頭はパンク寸前だ。作業上大事な点を記したメモを確認しながら一つ一つの仕事を慎重に行う。ふと顔を上げると、レジの前にはあっという間に注文客の長蛇の列ができていた。

 待たせてしまっている申し訳なさでいっぱいになり、冷や汗をかきながら対応した。しかし、不思議とほとんどのお客さんは怒っていない。むしろ優しい口調で私のレジ打ちが間に合うようにゆっくりと注文してくれる人が多い。その優しさに、緊張が自然とほぐれていく。

 訪れる方々を笑顔にし、リラックスした時間と空間を提供したい。そう思っていたはずだが、私の方がお客さんに笑顔にしてもらっていると気づいた。まだ眉間(みけん)にしわを寄せながら接客をしてしまうことが多い私だが、早くこの状態を脱したい。そして高校生の頃憧れたような笑顔でてきぱきと接客をし、お客さんに至福の時を過ごしてもらいたいと心から思っている。【上智大・古賀ゆり】

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