2019/05/28 すたこら

反省シャワー

 夜、シャワーを浴びる時間は一日の出来事が走馬灯のように頭をかけ巡る。いつからか一人反省会の時間になった。

 思い出すことは二つ。一つは自分の立ち居振る舞い。夜だからネガティブになってしまうのか、思い出すのは「失態」が大半。返答に失礼はなかったか、もしあったなら次はどう対応すればいいのか。

 二つ目は今日会った人たちについて。中でも会話を交わしている時の相手の表情が繰り返し思い起こされる。どんな感情から浮かべたものなのか。

 過ぎたことを延々と考える30分間。所詮は「タラレバ話」な上、反省を次に生かしたからといってそれが正解かもわからない。それでも毎晩してしまうのはなぜなのか。他人の気持ちなんて、一人であれこれ考えたところでわからないにもかかわらず。

 そんな時高校のときの友だちと会う。思い出話から始まり、ペット、趣味の話と何時間も話し込んだ。でも彼女とはどんなに長い話をしても「反省会」が開かれることはない。逆に大笑いした話題を思い出し、思わず頬が緩む。出会ってから丸6年。好きなことも嫌いなことも何となくお互い理解しているのかもしれない。それは何度も気持ちをぶつけて向き合ってきたからだろう。

 きっと今の自分に足りないものは、相手をわかろうと言葉を交わすこと。不安になるくらいなら、直接問うべきだ。もし勇気を出せたら、風呂場から鼻歌交じりの水音を響かせられるだろう。【昭和女子大・小林千尋】

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