第102回箱根駅伝 中央学院、総合11位 粘りで肉薄

箱根駅伝取材班
「きつかった」と振り返りながらも好位置をキープした近田選手

2、3日に行われた第102回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)。キャンパる編集部は今大会、予選会を1位通過し、3年連続25回目の出場を決めた中央学院大学に注目。同大は1区で先頭争いを演じる好スタートを見せた。その後も各区間粘り強い走りを見せ、往路11位、復路14位の総合11位で目標のシード権獲得(総合10位以内)にあと一歩まで肉薄した。川崎勇二監督の下で実力をつけた主力選手4人にそれぞれの思いを語ってもらった。【箱根駅伝取材班】

 ◆1区 近田陽路(こんだ・ひろ)選手(4年)

主将好走、チーム鼓舞

 主将として臨んだ最後の箱根駅伝で、1区を任された。終盤まで先頭に食らいつき、堂々の4位。母校の区間最高記録という、チームを奮い立たせる好走を披露した。走り終えて「ラストランが一番きつかった」と笑いつつ、「一度も時計を見なかった。前についていこうと一心不乱だった」と語った。

本戦出場は3回目。ただ過去2回は「たすきをつなげられなかったり、自分の走りができなかったりと、悔しい思い出が多かった」。雪辱を誓った今回は監督や部員と積極的にコミュニケーションを取り、チーム内の意思疎通がスムーズにいくよう意識した。

 強みは「中盤以降の粘り強さ」と自己評価する。昨年10月の予選会では日本人1位の走りでトップ通過の立役者となった。

卒業後は地元愛知県の愛知製鋼に所属し陸上を続ける。後輩には純粋に陸上が好きな者が多いと語り、「素質は十分にあると思うので、まだまだこれからが楽しみ」と母校の今後の活躍に期待を寄せた。

 ◆2区 市川大世(いちかわ・たいせい)選手(3年)

「力不足」来年へ闘志

地元山梨の友人らが応援する中、花の2区を走り抜けた市川選手

 エース区間の2区に起用された市川選手は、レース前に「任された区間を5番以内で走って、チームを勢いづけたい」と話していた。区間15位、12番目のたすき渡しという結果については「1区を4位で走った近田選手の流れに乗りたかったが、できなかった。まだまだ力不足だと感じた」と目を赤くした。

初出場だった前回大会は3区で区間18位。「力が出せず、悔しい思いをした」と振り返る。「リベンジすることしか考えていなかった」と言い、練習メニューやペースの見直しを行い、体調管理も徹底した。

 春には5000メートル、1万メートルの記録会で自己ベストを更新。「1秒を削るために毎日練習しているから、結果が出てうれしかった」。昨年10月の予選会では個人18位と、前回の88位から一気に70位もアップさせる大躍進を見せた。

チーム成績は総合11位で、目標だったシード権の獲得を目前で逃した。最上級生として迎える次回大会に向けて「来年も頑張りたい」と語った。

 ◆8区 黒谷優(くろたに・ゆう)選手(4年)

対応力で自己ベスト

復路の大事な局面で、チームに活を入れる走りを見せた黒谷選手

2、3年時にも8区を走った黒谷選手。3年連続出場となる最後の箱根路も8区を任され自己ベストを56秒更新。区間7位という好成績で終えた。「自己採点は70点くらい。シード獲得ができたら100点を付けたかった」と振り返った。

 今季は全国各地で開催されるレースにも数多く出場。部内の誰よりも実戦経験を豊富に積むことで、どんなレース展開になっても自分の走りを見失わない対応力を身につけてきた。

 一方、長らく自己ベストの更新から遠ざかるという苦しさも味わった。その中で黒谷選手が重視したのが後半でもスタミナを切らさない粘り強さだ。「突出した強みがない」との自覚があるからこそ、欠点を無くすことに注力した。

 任された役割を確実に果たす、信頼感のある走りが黒谷選手の特徴だ。「今年は川崎勇二監督からも『復路はお前に任せた』と送り出してもらった」。本番でもその持ち味が生きた。卒業後は地元の新潟県に帰郷し、セキノ興産に所属して陸上競技を続ける。

◆長部虎太郎(おさべ・こたろう)選手(2年)

感謝を胸にサポート

復路の大事な局面で、チームに活を入れる走りを見せた黒谷選手

長部選手は前回大会で、チームとしては1年生で唯一出場選手に抜てきされ、9区を任された。ただ結果は区間17位で「初めての大きな舞台で、思っていた走りができなかった」と悔しさを語っていた。

 雪辱を期して臨んだ今回は、3区起用で一度はエントリーされた。しかし、ケガによりレース当日の朝、サポートへと回った。総合11位という成績には「本来出走しなければいけない自分が出なかったことが、今回の結果につながった」と悔しさをにじませた。

 本戦を前に「少しでも恩返しができるように、走りでチームに貢献したいと思っている」と語っていた長部選手。サポートへ回ったことで、応援してくれる人々への感謝の気持ちがさらに増したという。

 無念の欠場となった今回の箱根駅伝。「チームに迷惑をかけて申し訳ない」と語る一方で、悔しさを晴らしたい思いが募っている。「もうケガで周りに迷惑をかける時間も暇もない。次こそは必ずチームに結果で恩返ししたい」と話した。

往路 青学が圧倒的追い上げ
 序盤で出遅れた青山学院大が終盤に圧倒的な追い上げを見せて、3年連続8回目の往路優勝を果たした。

 1区では国学院大の青木瑠郁選手が、区間新の走りで首位に立った。今大会でシード権獲得を目指す中央学院大は、近田選手が4位と好位置に付けた。青学は16位と出遅れた。

 その後、2区では城西大のキムタイ選手が6位から首位に浮上する区間新の圧倒的な走りを見せた。3、4区では地力に勝る中央大が首位に立った。

 山上りの5区では早稲田大が一時トップに躍り出るも、2~4区で着々と順位を上げた青学の、エース・黒田朝日選手が区間新の走りで抜き去り、往路新記録を打ち立てた。

 2位は青学と18秒差の早稲田。3位は1分36秒差の中央。1区首位の国学院は4位。中央学院は11位で、それぞれ往路をフィニッシュした。

復路 終盤、シード権争い白熱
 青山学院大が復路でも圧倒的な強さを見せ、総合優勝を飾った。8区の塩出翔太選手が区間新を記録するなど、5選手全員が区間3位以内に入る快走で序盤から独走。復路成績、総合成績ともに大会記録を塗り替え、史上初となる2度目の3連覇を達成した。

 総合2位は7区、高山豪起選手の区間記録に迫る力走が貢献した国学院大。青学には及ばなかったものの復路成績と総合成績の大会記録を更新し、往路4位からの巻き返しに成功した。

 終盤ではシード争いが白熱。中央学院大は最後の競り合いに敗れて11位となり、7年ぶりのシード権獲得を55秒差で逃した。最終盤で中央学院を突き放した日本大が10位、復路一斉スタートから驚異の追い上げを見せた帝京大が9位に入ってシード権を獲得した。東洋大は14位に沈み、20年連続で獲得してきたシード権を失うこととなった。

箱根駅伝取材班
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