年末年始の恒例行事として定着していた年賀状書き。しかし現在はスマホで手軽にメッセージをやりとりできる。特にSNS(ネット交流サービス)を駆使する若者は、年賀状についてどう感じているのだろうか。また新年のあいさつをどのように行っているのか。大学生・大学院生にアンケートしたところ、紙の年賀状離れが進み、SNS利用者が圧倒的多数となっていることが分かった。
アンケートには61人が回答した。まず、新年のあいさつのために自分名義で年賀状を出したか尋ねると、7割の43人が「出していない」と答えた。また年賀状を出した18人に出した枚数を問うと、15人が10枚以下だった。
年賀状を出さなかった人に複数回答可で理由を尋ねると、「面倒だから」が25人と最も多く、次いで「そもそも習慣がないから」が12人、「相手の住所を知らないから」が11人と続いた。興味深いのは、年賀状を出さなかった人全員が「過去に出したことがある」と答えたことだ。出すのをやめた理由を問うと、「周りからも来なくなった」ことや、年賀状以外の手段の普及を挙げる人が多かった。
少数派だった年賀状を出した人に理由を複数回答可で尋ねると、「毎年の習慣になっているから」が14人と最も多く、次いで「年賀状が届いたのでその返事をするため」が7人、「普段会う機会のない人とも連絡を取り合えるから」と「お世話になった人には出すべきだと考えているから」が6人で続いた。
続いて、新年のあいさつでLINE(ライン)やツイッターなどのSNSを利用したかどうか回答者全員に尋ねたところ、9割に当たる55人が利用したと答えた。年賀状を出したという人のほぼ全員(17人)も、SNSなど他の手段を併用している、と回答した。あいさつ先で最多だったのは「先輩・友達など」で55人。以下「親戚」18人、「先生など」5人の順だった。
SNS利用者に、なぜ新年のあいさつに用いたか複数回答可で問うと、9割近くの49人が「いつも使っているツールで手軽だから」と答えた。「自分の周りで普及しているから」も6割近くいた。「久しぶりに会う予定につなげるため」という回答もあった。
SNSではメッセージを簡略化するためスタンプがよく用いられる。ただ、あいさつが「スタンプのみ」というのは4人だけ。逆に「『あけましておめでとう』などの文章」という人は9割を超す51人だった。また「目上の人には近況報告も兼ねた文章で」「友人にはLINEで簡略に、先生などにはメールで」というように、相手によって手段を使い分けるという回答もあった。
アンケート結果からは、大学生・大学院生世代では、新年のあいさつの手段が年賀状からSNSに置き換わっている実態が見て取れた。ただ手段は変わっても、新年のあいさつは大事だと考える人は依然として多数派ということも分かった。【東京女子大・津田萌子】