すたこら 一人じゃない

すた・こら

 3月も迫り就職活動が一層本格化している。激流にのみ込まれ自分を見失わないよう、コツコツと自己分析や企業研究を進めてきた。しかし、いくら準備しても就寝前やテレビを見ている時などふとした瞬間に、どこからも内定がもらえないのではないかと不安に思うことがある。能天気が売りである私だが、ここ数日は曇り空のような憂鬱な日々が続く。

 先日、ある企業の早期選考で最終面接を受けた。初の対面式、そして役員が臨席する面接だったため緊張してしまい、持てる力の半分も出せなかった。地元の友は一緒になって次につなげるための分析・評価に協力してくれる。「会社の研究はできているけど、自分自身の研究はまだまだだな」と鋭い意見をもらい、自分自身の詰めの甘さに悔しさを覚えた。

 一方で良いことも起きた。それは家庭を持ち疎遠になっていた8歳上の兄とのやり取りが増えたことだ。思い切って電話をしたことをきっかけに、私が投げかける疑問や悩みを我が事のように考えて的確なアドバイスをくれるようになった。そんな兄には頭が上がらない。

 就活はまだ序章に過ぎないが、相談に乗ってくれる兄や大学の教授、応援してくれる両親や恋人、情報を共有し合う友人の存在は大きい。自分の将来を決める大事な分岐点にいる重圧に押しつぶされそうになることもある。しかし、一人じゃないと思えるからこそ、これからも就活に全力で向き合えると思う。1年後、晴れやかな気持ちで春を迎えている自分に思いをはせる。【国士舘大・太田響】

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