すたこら 選択と責任

すた・こら

 私は子どものころ、何をするにも判断を他人任せにする癖があった。学校で入る部活や委員会などは、母に「何に入ればいいか」と必ず聞いた。学校でも、自分から動かず先生や友達に意見を聞いてしまっていた。そのため中学の時の三者面談で、担任の先生に「瑞季さん、人に聞きすぎです」と指摘されたほどだ。

 自分で選択をしたり判断をしたりすることが苦手なのだ。自分で判断をすると後悔をしてしまいそうで怖い。小さなことでも自分の責任にしたくない。他の人が判断したことだから仕方がないという言い訳が欲しかったのかもしれない。

しかし大学生になり、自分で判断しなければならないことが格段に増えた。選択授業は自分で情報を探して自分で決めねばならない。また、大学は自由な時間が多い。何でもできるが、自分から行動しないと何もしないことになる。進路も同じだ。自分が将来何をしたいのか考えて、先輩や教授に自分から助言をもらいに行かなければならない。

 その環境の変化に最初は戸惑いや不安があった。それでもこうした経験を積むことで、昔より自分で選択することができるようになったと感じる。自分で選択したことで後悔しても、その経験は、挑戦しないとできなかったことだと前向きに考えられるようになった。

 1月には成人式を迎える。自分で選択せねばならないことが増えるだろう。そして責任も伴うだろう。大人として責任を持った選択をしながら、さまざまなことに挑戦したい。【明治大・奥津瑞季】

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