すたこら 憧れ

すた・こら

 「キャナイハブ、ディスワン?」。そう英語でレストランの店員さんに伝えた時、私はどこかふわっとした、解放感と喜びを覚えた。

 それは今夏のとても暑い日のこと。いくつかの縁と運に恵まれて、私はめったに一般開放されない在日米海軍の横須賀基地を訪問することができた。基地内は日本車であふれているものの、バスの中の会話、道行く人が身にまとうオーラ、街の雰囲気は私の憧れそのもの。

 私が「外国」にひかれ始めたきっかけは何だっけ。一つ言えるとすれば両親だ。私が物心つく以前から海外の文化に親しませてくれていた。その影響は大きく、見るなら邦画より洋画、交流するなら日本人より留学生という具合。大学進学後は、絶対に長期留学しようと考えていた。

 しかし、コロナ禍で状況は一変。若い世代のワクチン接種が後回しとされたこともあり、「無事行けますように」という願いは届かなかった。それでも「いつか必要になる日が来る」と語学の勉強に励んだが、肝心の外国行きの実現時期は見通せなくなっていた。

 そんな私にとって今回の横須賀基地訪問は、見失いかけていた目標を描き直す貴重な機会となった。10代の頃の「できたら外国でお仕事をしたいな」という軽い考えも、この日を境に憧れの地に向け「日本を出なくては」という強い意志に変わった。深く理由も考えずに、気持ちだけ先走るのは私の「あるある」だが、絶対にかなえてやるという闘志は消えないだろう。【千葉大・谷口明香里】

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