新人記者、今思うこと--

新人コラム

 対面での活動を本格的に再開し、新型コロナウイルスまん延前の「日常」を取り戻しつつある「キャンパる」。そんな中、メンバーの顔ぶれにも変化があり、紙面に新たな風が吹きそうだ。今春入会した新人記者3人に「今、思うこと」を聞いてみた。【まとめ、早稲田大・榎本紗凡】

「理想の大人」に向かって

 実はこの春から私はシェアハウスで暮らしている。今年成人を迎え、理想とする大人像について考えるようになったのがきっかけだ。自由で自立している人が、私にとっての「理想の大人」。今まで家事はほとんど母任せだったが、とりあえず自分の身のまわりのことは、自分でできるようになりたいと思った。

 しかし親頼りの生活が突然自己管理の日々になって、正直苦戦の連続だ。部屋はすぐ泥棒が入ったようになるし、洗い物もしょっちゅうためる。環境の変化だけで人は変われないと悟った。日ごろ、いかに甘えた生活をしてきたのかも痛感させられた。

 そんな中、母の生活も一変した。普通の主婦から美容関係の店のオーナーになったのだ。しかも夜遅くまで働く時もあるらしい。そんな母に「やっぱり私の面倒をみて」とは言えない。何より、母が店をやる前に「家を出たい」と言い出したのは私なのだ。なのに私より母の方が変化していて悔しい。そんな母に負けるわけにはいかないと気を引き締めるこのごろだ。【国学院大・青木花連】

堂々と壁に挑む

 高校生の頃の私は、失敗を恐れるあまり何にも挑戦することができなかった。受験勉強と多忙な部活動を両立させる同級生がいる中、私は勉強に対しても部活動に対しても中途半端。運動部でやっていける自信がなく、「ゆるい」文化部に所属。そして何となく勉強し、何となく遊ぶ。そんなメリハリのない生活を送っていた。

 当時はその生活に問題意識を持つことはなかった。しかし大学に入学し、自分の意思と行動力次第で多くの学びを得られると知った。そして気付いたのだ。この恵まれた環境で何にも挑戦しないのは、非常にもったいないことであると。

 自分を成長させよう。その思いでキャンパるに入り、大学では洋弓部に入部した。慣れないことばかりで、自分の至らなさを痛感する日々だ。しかし、試行錯誤する毎日に充実感も覚える。どちらも自分の意思で挑戦すると決めたことだ。壁にぶつかることもあるだろう。しかしそんな時も、失敗を恐れて消極的になるのではなく、堂々と壁に挑む自分でいたい。【上智大・古賀ゆり】

情報に流されないために

 今を生きる私たちにとって、現代の情報通信技術は素晴らしく便利でありがたい存在だ。でも便利な一方で、それがどのくらい危険をはらむものなのか、考えたことがあるだろうか。

 今日では、スマホの画面に触れるだけで、世界とつながることができる。ネット交流サービス(SNS)のアプリを使えば、自分の意見を容易に発信することも可能だ。でも、事実に基づく情報でなくても投稿できてしまう。受け取る側が事実かどうか、冷静に考えることをやめてしまうと、いずれ権力を持つ集団によって、誤った情報が事実であるかのように悪意をもって流布される社会が形成されてしまうかもしれない。

 現代人はスマホなしでは暮らせないほど、四六時中画面をのぞきこんでいる。その分、スマホで見た情報に何も疑問を抱かない人が多いように感じる。誤った情報に流されないようにするには、自力で多くの経験を積み、先人の知恵の詰まった書物を読み、自ら考えることが必要なのではないだろうか。【大東文化大院・佐野泰雅】

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