4月から4年生になる私は、大きな変化の渦中にある。波に洗われて削られる砂浜のように、活動範囲が狭まってきているのだ。今までどれだけ勉強以外のことに手を出し、時間を割いてきたか。そして大学生の本分である学びの厳しさとは何か、ひしひしと実感している。
これまでの3年間は、部活やサークル活動漬けの日々だった。体育会、文科系合わせて7団体に入会していたからだ。毎週活動するもの、不定期に集まるもの、形態はさまざま。役職にも進んで就いた。授業やバイトのスケジュールに合わせて週7日を余すことなく使い、一つを除いて何とか続けてこられた。
忙しいが、それは新鮮で息抜きになっていた。だが、つい先日一線を退いた。これからは毎日、大学に通い詰めて学業に専念することになる。春休みくらい一息つこうなんて甘ったれていられない。それに憧れの研究室に所属でき、ずっと希望していたイネを使った環境制御の研究ができるのだから、文句は言えない。
ただ、目の当たりにする現実は想像を超えて厳しい。生育調査や論文執筆などで四六時中忙しく、成果を出せずに苦悩する先輩方。3年間蓄積した基礎的な知識では太刀打ちできそうもないことを痛感する。私がやろうとしているのは趣味の園芸ではなく、社会に貢献しなければ意味がない園芸なのだ。「自分も成果が出せるのか」と人生史上最大級の不安に襲われている。だが、サークル活動に注いだ以上の情熱で、とことん立ち向かおうじゃないか。【千葉大・谷口明香里】