新型コロナウイルス感染予防のため、今年入学した大学1年生は、対面授業を受けられず、大学施設も使えない学生が大半と、異例の学生生活のスタートを余儀なくされた。この状況下で、1年生はどのように新たな友人を見つけてきたのか。キャンパる編集部は、8月下旬から9月上旬にかけて、全国の1年生を対象に交友事情に関するアンケートを実施。回答からは、孤立を回避するため自力で、または大学やサークルの力を借りて、新たな友人作りに奮闘している姿が浮き彫りとなった。(カッコ内は大学名・学部系統)
アンケートには30人が回答した。まず同級生とはどのように知り合ったかを尋ねたところ、「ツイッターのハッシュタグ『#春から農大』でつながった」(東京農業大・理系)など、SNS(ネット交流サービス)ならではの検索アシスト機能を生かし、オンライン上で知り合ったという声が6人から寄せられた。
理系や医療系などの学生には実習という“優位性”があり、「8月に初めて行われた対面形式の実習授業で知り合った」(千葉大・理系)という回答もあった。
サークルの活動制限などによって、同じ大学の先輩との交流も難しいが、回答者からは「サークルのオンライン新歓(新入生歓迎会)で知り合った」(東京農工大・理系ほか)というように、サークルをはじめとした課外活動の団体が行うイベントでつながりを持ったという声が4人の学生から寄せられた。
また、「同じ学科で、教授が(ウェブ会議システムの)『ズーム』で交流の場を開いてくれた」(東京農工大・理系)、「大学が主催して、同じ地域出身の学生同士が交流できるイベントがオンラインで開かれた」(琉球大・医療系)など、大学側が学生同士のオンライン上での交流の機会を設けたというケースもあった。
大学への要望としては、「対面での交流会を開いてほしい。オンラインでは限界がある」(産業医科大・医療系)と、対面での交流実現を望む声が上がった。
ただ、対面の実現については不安の声もある。今後の学生生活に対して不安なことを尋ねたところ、「すでにSNSで仲良くなっているグループもあり、対面で話しかけるときに壁を感じてしまわないか心配」(慶応大・文系ほか)といった声が寄せられた。
一方で期待することも聞いてみたが、「対面で会えることが増えればさらに交流が増え、関係が深まる」(神戸大・理系)、「課題の相談をしたりご飯に行ったりできる友達ができること」(慶応大・理系)など、関心を集めたのはやはり対面での交流実現に関してだった。
記者自身も1年生で、まだ一度も大学に登校できていない。コロナの感染が収束し、対面授業が始まって同級生と直接会える日を心待ちにしている。【日本大・畑山亘】