コロナ禍による巣ごもり生活を送るなか、先日、誕生日を迎えた。年に1度の「特別な日」だが、だからといって退屈な毎日が変わるわけではない。そんなことを思っていた時、思いがけず高校時代の友人2人に誘われ、その夜、ビデオ通話で誕生会をすることになった。
彼女たちとは高校生活の大半をともにした仲。お互いの誕生日には必ず集まって祝っていたが、卒業とともに3人そろって会う機会は少なくなり、最後に集まったのも1年前。画面越しとはいえ、久々に顔を合わせられることに心を躍らせながら、「通話を開始」をクリックした。
会話が始まり、2人から「お誕生日おめでとう」の言葉が贈られ、気恥ずかしくなったのもつかの間。すぐに思い出話に夢中になった。部活や学校行事の話から、過去の恋愛話まで。時がたてばケンカしたことだって笑い話になる。
気づけば、日付が変わっていた。またこうして会おうね、と惜しみながら通話を終える。心の底から楽しいと思えた時間だった。遠いと感じていた距離が、一気に縮まった気がした。
講義にバイト、サークルと忙しい日々を過ごす私たちが、同じ時間を共有するのは意外と難しい。この機会がなければ、いつ3人で話せていただろうか。そう考えるとステイホームも捨てたものではない。世間は暗い話題で持ちきりだが、少し考え方を変えると良いことだって見えてくる。そう気づかせてくれたことが、彼女たちからの誕生日プレゼントなのかもしれない。【立教大・明石理英子】