学習院大学、成蹊大学、成城大学、武蔵大学による四大学運動競技大会が、10月18日から20日にかけて、成蹊大学(東京都武蔵野市)で行われた。
「四大戦」の略称で親しまれているこの大会は、1950年に始まり、今年は70回目の記念の開催となる。それまで、4大学とも旧制高等学校であった縁などから、4大学の交流を目的にこの大会が始まった。会場や運営の主導は各大学が1年交代で務めており、今年の当番校は成蹊大学。これまでの最多総合優勝は、56回の学習院大学だ。
今回行われたのは41競技で、参加した選手は約5100人。最終日に行われた4校対抗の駅伝は四大戦の目玉競技。1チーム4人形式で、キャンパス1周1・4キロのコースを男子は1人4周、女子は1人2周走る。各大学の応援団や観客による熱い声援が終始飛び交い、大会最高の盛り上がりを見せた。男子駅伝で1番にゴールテープを切った武蔵大学1年、山崎力輝さんは、「つらかったが応援が励みになった」と喜んだ。
教職員含め全校参加で一体
四大戦の最大の魅力について「一部の学生だけでなく、教職員含め全校が参加対象であること」と話すのは同大会実行委員長で成蹊大学4年の山崎淳史さん。大学間のスポーツの定期戦は、通常運動部所属の学生のみが参加の対象となることが多い。しかし、四大戦には運動部以外の学生を対象とした一般種目や教職員種目も設けられている。一般種目には、大学ごとの予選会を通過した選手が大学代表として出場する。男子バドミントンに出場した成蹊大学4年の児玉慎一郎さんと、同大1年の佐瀬直之さんは「普段関わらない人たちに応援してもらうことで、大学として一つのチームになっているように感じた」と話す。
白熱した試合を繰り広げるのは学生たちだけではない。教職員種目のバレーボールでは、プロ顔負けの鋭いサーブやアタックが繰り出された。見事優勝を勝ち取ったのは、武蔵大学。同大学職員の参加者の一人は「このメンバーで年間を通して練習をしてきた。初優勝を飾れてよかった」と勝利の喜びをかみしめ、「応援団の声援に感動した。四大戦は学生と職員が団結できるすてきな大会だと思う」と語った。
今大会は、学習院大学が2年連続の総合優勝を飾った。
「四大戦を行うには、4大学の協力が欠かせない」と実行委員長の山崎さん。大会を通して4大学の結びつきも強くなるという。記者も、異なる大学の選手同士で励ましあう場面を目にし、温かい気持ちになった。
大会に足を運んで感じた、どこかアットホームな雰囲気。それは、きっと70年にわたって深まった4大学の団結力のたまものだろう。【立教大・明石理英子、写真は東洋大・佐藤太一】