女らしさって何?
女らしくないよな。以前、一回り年上の男性から言われた言葉。容姿のことなのか内面のことなのか。どのような意図で言われたのかもよくわからない。当時は笑って受け流したが、心のどこかで引っかかっていた。
それ以来、自分が思う「女らしさ」を演じるようになった。本当は大食いなのに小食です、とうそをついてみたり、慣れないミニスカートをはいて落ち着かない気持ちで過ごしたり。つらくても同じことを言われたくない。次第に、疲労感がたまっていった。
なぜ他人の視線を気にするばかりに自分を抑えないといけないのか。誰も私のことに関心などないだろうに。それに頑張って自分をよく見せようとしても、かえって不自然さがでてしまう。女らしさとはもはや潜在的なものなのではないだろうか。それに、もう女らしくないならいっそ男性に生まれれば良かったのに。そう思うこともあった。
「女らしくないって言われたの」。何気なく友人に打ち明ける。すると一瞬意外な表情をして「その人の好みではなかっただけだよ」と笑った。そんな考え方もあったか。なんだ、自分が勝手に深読みして、自身を否定されたような気がしていたのかもしれない。
女らしさってなんだろう、かわいい? 色気がある? 控えめ? いろいろ考えた結果、何に悩んでいたのかわからなくなった。これからは「自分らしさ」を大切にしていこう。【大妻女子大・中嶋美月】