読見しました:「一歩ずつ強く」

 「決めた、私も走る!」と家族に宣言し、実行したのは昨秋のこと。寒さの厳しい冬の間は一旦やめていたが、最近また走り始めた。春のあたたかな日差しを浴びて、体力づくりの再スタートだ。

 物心つく頃から運動を毛嫌いし、屋内にこもりがちだった私。しかし今になって、幼少期から体を動かしておくべきだったと、その重要さを思い知った。大学生になって行動範囲が広がったからだろう。体力が足りず、友人たちの行動ペースについていけないこともしばしば。多忙な日々を過ごしながらも良好な体調を保っている同期生が、ひたすらうらやましかった。

 そんな私の悩みを察し、ランニングによる体力づくりを後押ししてくれたのは父だ。10年ほど前から走ることを習慣化させた父は、よくおなかを壊していた昔とは見違えるほど頑丈な体になった。「お前も走ればいいよ。走ることは人を強くするぞ」。その言葉は偽りがなく、私の胸にスッと入ってきた。

 近所にある公園の遊歩道1周から始めた、ランニングへの挑戦。少しずつ距離を伸ばし、今は2周を目標にしている。頭を空っぽにして自然の中を駆けることが、活動を制限された生活での鬱屈した気分を晴らしてくれる。この春を越え、たくましい体に一歩、近づけるだろうか。【東洋大・荻野しずく、イラストも】

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