2019/07/09 聞いてみました

参院選 政治に関心ある?

 参院選の投開票日が21日と、目前に迫ってきた。若者の政治への無関心が問題視される中、学生たちは政治や選挙について、どのように考えているのだろうか。大学生100人(男子35人、女子65人)にアンケートで調査を行った。(丸数字は学年)【上智大・川畑響子】


75%「投票に行く」

 はじめに「今回の参院選に関心があるか」と聞いたところ「ある」が30%、「少しある」が25%で、合わせて5割超程度が関心を持っている。一方で、調査時期の6月中旬時点で、参院選があることを「知らなかった(その他含む)」、関心が「ない」「あまりない」と答えた人は、合わせて5割近い45%に上った。しかし、「投票に行く予定があるか」との質問には、75%の人が「行くつもりだ」と答えており、政治への関心が低くても、投票行動の割合は高いようだ。

 その理由として多くの人が「選挙権を持っているから」(首都大東京(1)男)と回答。「なんとなく行く方がいいと感じている」(上智(2)男)、「親が行くから一緒に」(早稲田(4)女)など、消極的な動機が目立った。

 その一方で、積極的に政治に関わろうとする声も。「独裁政治にならないようにするため」(聖路加国際(3)女)、「若者も、政治に関心があることを示したい」(東京外国語(2)女)など、日本の将来を見据えている。

 それに対して行かない理由で多かったのは、「実家から住民票を移していないから」(京都(1)男)と、1人暮らし学生の現状を反映している。不在者投票制度で対応できるが、離れてしまった地元への関心はあまり高くないようで、「予定を入れてしまった」(法政(4)女)という人も。そんな人たちも、同制度を利用してほしい。

 せっかく投票に行くなら、良識ある判断で候補者を選びたいもの。どのような点に注目すべきか。アンケートでは「政党の公約」を重視する人が多数を占めた。各党の公約を比較することは、国会の勢力図にも大きく関わる。また「候補者の人柄」を見る人も多かったが、選挙期間中だけでの判断は難しい。

年金、教育問題に注目

 続けて「関心のある政策」(複数回答)について聞いてみた。多かったのは、「年金の他に夫婦で老後2000万円必要」と国会で議論になった「年金問題」。他には学生も直接関係する大学無償化などの「教育問題」など。話題性が高く、身近な争点は自分ごととして考えやすいようだ。

テレビ、ネットで情報収集

 それぞれの候補者や政党の公約を比べる際に、どのような情報を参考にしているのか。理由とともにアンケート(同)で尋ねると、身近で自然と情報が入ってくる「テレビ」が44%で最も多かった。続いて政党や候補者が直接発信しているホームページが41%、信頼度の高い新聞が40%との結果に。また、回答者の参院選への関心の有無と照らし合わせると、関心の高い人ほどさまざまな情報源にアクセスしていることがわかった。
 「街頭演説を聞いたり、リーフレットを読み込んだりするのは、相当関心がないとできない」(津田塾女子(3)女)といった本音も聞かれた。

 選挙の情報収集について、毎日新聞の世論調査室長を務めた、紙面審査委員の山田道子さんに聞いた。
 「中立公平を大事にしている新聞は、ぜひ参考にしてほしい」とのこと。加えて、毎日新聞が開設する「えらぼーと」というサイトを紹介してくれた。これは、自分が候補者と同じアンケートに答えることで、どの候補者と政策への考え方が近いかを示すマッチングサービス。このようなサービスを探してみるのもいいだろう。
 ただ、注意したいのはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上の情報。「さまざまな人が意見を述べていて多角的に吟味できる」(千葉(1)男)という活用法もあるが、山田さんは「自分の知りたい情報ばかり集まってしまう恐れがある」と指摘する。ネット上の情報は、特性を踏まえて上手に活用したい。

 最後に、「投票することで政治に参加していると感じられるか」を尋ねたところ、「はい」が82%、「いいえ」が18%という結果に。選挙は政治に参加する貴重な機会、という認識を多くの人が持っているようだ。「たった1票でもその1票が、政治に対する自分の主張であると思う」(立教(1)女)という考えに記者も賛同した。

 しかし、「実感が持てない」(中央(2)男)、「選んだところで政策が実現するとは限らない。期待していない」(成城(4)男)といった冷めた意見も多い。これについて山田さんは「たとえ政界の構図が変わらなくても、選挙はどのような意思があるのかを示せる唯一の機会」と話す。特に、各メディアの選挙後の報道に注目するとよいそうだ。出口調査などをもとに、各党の議席数だけでなく、国民のどのような意思が示されたかの検証が行われる。少しでも自分たちの声が届けられたと実感できるかもしれない。

 アンケートから、選挙は何となく大事だと思い投票にも行くが、その有効性をあまり感じていない若者の姿が浮き彫りになった。「大事なのは、有権者一人一人がどんな社会にしたいかを考えること」だと、山田さん。選挙を機会に政治や社会を振り返り、自分の考えを1票にのせて届けてほしいと、願う。

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