2019/06/11 読見

読見しました。:父の日は……

 「今日はね……」。一日の終わりに車内で父と交わす何気ない会話。父の職場や大学での出来事。その日のニュースや食べたものなど、たわいのない話の連続だ。

 父は私の帰りが遅くなると、いつも駅まで車で迎えに来てくれる。好きなテレビ番組やお酒も我慢して。そして車に乗り込むと決まって、今日は誰とどこに行ってきたのか聞いてくる。私は時に、大学の友達とだとうそをつく。

 家までの20分ほどの道のりは申し訳なさでいっぱい。明日は早く帰ってこよう。その時はそう思うのに、また次の日も甘えてしまう。

 私が大人になるにつれ、父娘の会話は減ってしまった。父のお気楽な態度にいらだちを覚え、冷たく当たってしまうこともある。それでも変わらず接してくれる。そんな優しさに触れるたび、自己嫌悪に陥るのだ。たまには厳しくしてくれてもいいのに。

 また今日も罪悪感と睡魔に襲われながら、車に揺られる。父の日くらいは早く家に帰ろう。そして晩酌にでも誘ってみようかな。【津田塾大・畠山恵利佳】

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