彼らに初めて出会ったのは10年前。彼らが発表した、ある1曲に私は熱中したのだ。その曲は絵本のような幻想的な歌詞で、人とのつながりの大切さを教えてくれ、悩み事の多かった中学時代の私を支えてくれた。
中3の時、楽曲とその世界観にひかれた私は、一度だけライブに参加したことがある。世界観を忠実に再現した舞台セット、初めて聴いた生の歌声。どれも新鮮で、私はますます彼らの世界にのめり込んだ。
けれど、中学を卒業してからは彼らへの思いや熱が次第に冷めていった。同志と呼べる友に出会えなかったからかもしれない。でも、大学でその魅力を語り合える友人と出会い、再び心に火がともった。そしてライブに誘われ、再び会いに行こうと決意した。
会場は東京ドーム。彼らがデビューしてからずっと目指していた場所での再会は感慨深かった。最初の楽曲は、私が彼らに熱中するきっかけになった楽曲だった。彼らの姿や歌声は、10年たった今でも変わらず、懐かしさとうれしさが込み上げてきた。
ライブが終わり、私はファンクラブに入会した。当時の私を支えてくれたことを感謝し、今度は彼らを支える存在になりたいと思ったからだ。再びともった火を消さないために、抽選を勝ち抜いてチケットを確保し、また会いに行こう。【大正大・中村勝輝、イラストは上智大・古賀ゆり】
