読見しました 私の「家族」

読見しました
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<読見(どくみ)しました>

 私は、自分が持っている洋服を「家族」と呼ぶ。新しい服を買ったら「新しい家族が増えた」。洋服は、父母妹と同じくらい大切なもの。なので断捨離がなかなかできない。気付けば300人という大所帯。引き出しからあふれつつあって、親の視線が痛い。

 こんなに服に熱中し出したのは高校生以降だった。大学に入ってアルバイトを始め、金銭的余裕もできて気分の赴くままにたくさん買った。家で1人ファッションショーを開催したり、友達を着せ替え人形にして楽しんだりした。着たい服を存分に楽しめるってこんなに幸せなことなんだ、としんみり思った感情は今も変わらない。

服装ひとつでも、個性が出る。誰かのためではない。自分のため。人とかぶりたくない、唯一無二のファッションを目指している。これまでずっと平凡な人間だったから、何者にもなれない自分が嫌でそうなったのかもしれない。

 街を歩いていると他人のファッションもついつい観察してしまう。「なんでこの人はこういう服装をしているんだろう」って考えると、新しい視点からその人のことが見られるので面白い。会話のきっかけにもなるし。

1人暮らしを始めたら、他の設備がどんなに使いづらかろうと、衣装部屋は絶対に作るつもりだ。自分の感性を、今以上に愛(め)でていきたい。それが生活の質の向上ってやつだ。【専修大・左近美穂、イラストも】

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