大学スポーツの華と言われ、出場選手の実力はもちろん、大会の注目度が全国的に高い箱根駅伝。例年関東地区の大学だけがエントリーできたが、100回目となった今大会は、全国に門戸が開かれた。次回の開催方式は未定だが、今後も全国化は続けるべきかどうか、現役大学生・大学院生の意見を聞いてみた。
「キャンパる」編集部が実施したアンケートには関東の学生88人、関東以外の学生31人、計119人が回答した。
次回大会以降の箱根駅伝の開催方式について尋ねたところ、「全国化すべきだ」という人は6割超の76人(関東57人、関東以外19人)と、全国化を支持する意見が最も多かった。「100回大会のみ全国化することに賛成」という人は24人(関東19人、関東以外5人)、「全国化することには反対」という人は19人(関東12人、関東以外7人)だった。
「全国化すべきだ」という人にその理由を尋ねると、「関東以外の大学にも出場機会が与えられるから」という人が57人、「箱根駅伝のファンを増やせると考えるから」という人が16人だった。「元々、箱根駅伝は関東ローカルの大会にもかかわらず、メディアへの露出の多さから全国大会並みの扱いを受けており、その結果学生が関東に集中してしまう現状に違和感を覚えるから」という関東の学生の意見もあった。
また「100回大会のみ全国化することに賛成」という人と「全国化することには反対」という人(合計43人)にその理由を尋ねると、「全日本大学駅伝が大学日本一を決める大会であるから」という人が20人、「(出場すべき)強豪校が関東に集中しているから」という人が13人だった。「わざわざ歴史ある箱根駅伝を全国大会にする必要はないから」という関東の学生の意見もあった。
箱根駅伝を全国化することで、関東に強豪校が偏在する現状を改善することができるだろうか。アンケートで尋ねたとところ、「改善できると思う」人は74人、「改善できないと思う」人は42人だった。箱根駅伝の開催方式見直しを通じて、有力選手が関東に集中する現状の是正を望む学生が多いようだ。
「改善できると思う」理由としては、「関東の強豪校に行きたくてもいろんな事情で進学できない地方の優秀な学生が活躍する場が設けられるから」という関東の学生の意見があった。「改善できないと思う」理由としては、「全国大会となっても、相変わらず関東の強豪校がその地位を持っている以上、強い選手は結局その大学へ集まると思うから」という関東以外の地域の学生の意見があった。
学生たちの大学駅伝への関心は高い。テレビなどで大学駅伝を「見ている」人は77人、「見ていない」人は42人だった。「見ている」人のうち、「箱根駅伝の中継番組を見ている」人は42人、「箱根駅伝以外の全日本駅伝等の駅伝も見ている」人が31人だった。【上智大・古賀ゆり】