「諦めない。勝負は九回の裏からだ」。苦しんでいる今の私が、自分に言い聞かせている言葉だ。
4年生になったばかりだが、志望する業界の就職活動シーズンは早くも終盤。しかし、なかなか結果を出すことができていない。周りには内定を得て就活を終える人が続々と出てきている。自分はこのまま結果を残せないまま終わってしまうのかと気は焦り、とても苦しい。
そんな自分の心の支えになっているのは、今年3月に開催されたWBCの準決勝だ。九回裏、1点差の場面で村上宗隆選手が放ったサヨナラ安打。この大逆転劇を見た私は、常にチャンスをうかがい、最後まで気持ちを切らさないことの大切さを知った。逆に言えば、チャンスを自ら諦め、中途半端に試合終了まで傍観する姿勢こそもったいなく、非常に悔いの残る終わり方ということだ。
もちろん、自分ではどうしようもないことはある。でも、結果を勝ち取るために残されたチャンスをどのように生かすか、それ次第で未来はきっといくらでも変えられる。勝手に自分で限界線を作り、努力を放棄するのは最もやってはいけないことなのだろう。
まだまだチャンスは残されている。「自分には無理なのかな」と弱音を吐くのはもうやめよう。時間がもったいない上に、それが本当にそうなってしまう恐れだってある。ここまで来たら、もう自分の納得のいくまでやりきろう。ゲームセットまで、全力で取り組み、悔いの無い就活にしてみせる。【日本大・畑山亘】