毎日新聞2020年12月8日 東京夕刊
大学生に仲間入りして8カ月がたった。私は今、地元の名古屋からオンラインで、東京にある大学の講義を受講している。6月に入会したキャンパるも、ずっとオンラインで活動に参加している。
本来なら、春から上京する予定だった。ところが、新型コロナウイルスの影響で、大学の授業は全面的にオンラインで実施されることが決定。私の判断で上京を取りやめ、地元にとどまることを決めた。キャンパスに行けないのならば、感染が拡大している東京にいるよりも、地元に残るほうが安全だと考えたからだ。
新学期が始まってからしばらくは、地元にいるという安心感が強かった。しかし、時がたつにつれて、他の学生に置いてけぼりにされているのではないかという焦りと不安を感じるようになった。自分がしてきたことは大学できちんと評価されているのだろうか。もう対面で交流したという同級生も出てきている中で、大学での人間関係から取り残されているのではないか。自分は今後も大学生としてやっていけるのだろうか――。そんなことばかり考える日々が続いている。
コロナは収まる気配がない。しかし来年は上京するつもりでいる。大学に通わないと取れない単位があるからだ。どんな学生生活になるのか、不安は今もある。でもそんな思いとは無関係に時計の針は進む。貴重な時間であることに変わりはない。大学の勉強や就活準備など、今やれることは存分にやろう。自分なりに、自分らしく、限られた学生生活を過ごしていきたい。【日本大・畑山亘】