新型コロナウイルス感染拡大の懸念が解消しない中、首都圏を中心とした各大学は学生の来校禁止を継続している。このような状況で、大学生の課外活動はどうなっているのか。キャンパる編集部では今月上旬、部やサークルなどの団体に所属する大学生を対象にアンケートを実施。114人から回答を得た(カッコ内は大学名・所属)。
現在の活動状況を尋ねたところ、「通常活動を再開した」のはわずか1割ほど。約半数はウェブ会議システム「ズーム」などを使い、オンライン活動に参加している。「活動が完全に止まっている」は約3割、「個人で練習・活動を行っている」は約1割だった。
オンライン活動の是非については、「話し合いに参加しやすくなった」(湘南工科大・バスケ部)と前向きな受け止め方がある一方、「オンラインでできる事は限られている」(女子栄養大・マーケティングサークル)、「一部のメンバーの強い主張に対して意見が言いにくい雰囲気になった」(武蔵野大・新聞サークル)と、不満や否定的な声も多く寄せられた。
活動内容によっても、状況は変化してくる。活動を阻む壁が厚いのは、団体競技など「3密」に陥りやすいスポーツ系の団体。「甚だしい練習不足で焦っている」(東工大・アメフト部)、「自宅練習のモチベーションが上がらない」(国学院大・野球部)など、練習量と質の低下を心配しているようだ。
趣味や文化、学術系の団体は、個人練習などに任せて柔軟に対応しているケースが目立つ。ただし「旅を目的とする団体なのに、どこにも行けない」(明治学院大・離島研究会)、「合唱の性質上、安全対策が難しい」(慶応大・合唱サークル)など、制約が大きいケースもある。
団体存続の要である新入生への勧誘にも変化が起こっている。約4割が例年より新入生の部員、会員が「減った」と答え、「募集の延期・中止」も約2割に上った。一方で、新部員、会員が例年よりも「増えた」と回答した団体は約1割。その多くが力を入れていたのが、インターネットの活用だった。東京大の演劇サークル所属の女子は、過去の活動を「ツイッター」などSNSで積極的に公開した他、「ズーム」でワークショップも行った。今年吹奏楽部に入った静岡大1年の男子は「SNSで先輩が演奏している動画を見て入部を決めた」という。
急激な環境変化は、「今までの環境が恵まれていた事に気づかされた」(慶応大・オーケストラサークル)、「日常に戻ったら活動をたくさんやりたい」(埼玉大・演劇サークル)など、これまでの活動を見直すきっかけにもなったようだ。学生たちは活動をどう続けていくか、模索を続けている。【国学院大・原諒馬、イラストは千葉大・谷口明香里】