人に悩みを相談することが苦手だ。悩みといっても、全てを話せないわけではない。日常で起きたささいなことは友人と軽く笑って流せる。話せないのは、自分の中に長い間抱えてしまうような本当の悩みだ。
周りに心配されても大丈夫です、と言ってつい隠そうとしてしまう。「つらい」と、一言発することがどんどん難しくなっていく。それでも大抵は抱えきれなくなる前にどうにかできるのだが、一度限界を超えてしまったことがある。
中学生の時、部活動の後輩へ放った少しとげのある一言。間違ったことを言ったとは思わず、それほど気にしていなかった。だが、後輩たちがそのことを私の同期に話し、必要以上に責め立てられた。
これが原因で部活どころか、他のこともうまくいかなくなった。同期に真意を話せないまま、時間が過ぎていく。もとはと言えば自分が原因だから、誤解されるのも仕方ない。そう言い聞かせて、自分の気持ちを隠し通そうとする日々が続いた。
しかし、そんなことはできなかった。ある日学校から帰宅した瞬間、私は泣き出した。その後、後輩とも微妙な関係のまま引退。後悔の残る終わりだった。
余裕を無くし、言葉ではなく一人泣くことでしか「つらい」と発露できなかった自分。いま、その時から少しはましになれただろうか。自分一人で考えているだけではきっとわからない。そんな悩みも誰かに話してみたい。【学習院女子大・渡口茉弥】