選考解禁、成功の鍵は? 活動中の4年生座談会
2020年春卒業予定者の採用選考と、主に現3年生を対象にしたインターンシップの受け付けが1日、解禁された。経団連主導の就活スケジュールが廃止され、不安も大きい21年卒。そんな3年生たちの不安や疑問に、現在就活真っただ中の4年生が答えた。【聞き手=東洋大3年・佐藤太一】
--現在の就活状況を教えてください。
A 志望業界の内々定をすでに一つもらった。
B 内々定は持っていない。選考中の企業がいくつかある。
C 内々定をもらったけれど、そこに行く気はない。志望度が高い企業の最終選考が一つある。
D 長期インターンに行っているベンチャーから内々定をもらい、あと結果待ちの企業が一つ。
E 3年夏に参加したインターン先から内々定をもらった。
--いつ、就活を始めたのですか。
A 3年の夏。インターンの選考が始まって。
D 昨年の6月。やっぱりインターンがきっかけかな。学校からの通知や友達の雰囲気で自然と意識するようになると思う。
--今の志望業界はどのように選びましたか。
B メーカーのインターンに行ってみて、物が作りたいという気持ちが強くなった。ちゃんと絞ったのは3年の終わりくらい。
E 大学で学んだ土木の知識を生かしたくて、インターンやOB訪問を通して決めた。
--就活情報はどのように収集しましたか。
E 主に学科の先輩からOBの方や就活情報を紹介してもらった。
B 大学のキャリアセンターからの情報を頼りにしていた。出るべき説明会などを勧めてくれる。
C 志望業種専門のサイトを活用していた。絞られた情報が逐次送られてくる。
--説明会には参加していましたか。
A 大学で行われる説明会には毎回顔を出していた。興味のないところでも視野を広げるために行っていた。
C 僕は業種をエンタメ系に絞っていたので、大学で開催する説明会には行かなかった。個別の説明会に行く必要があるから。
--業界を絞るうえでも必要になる自己分析は、どのように行いましたか。
A 自分のターニングポイント(転機)を書き出して自分のしてきた選択を振り返ったり、仲の良い友人同士でお互いを取材したりした。自分自身と他者、両者の視点が必要。
D 自分の幼少期から今までを振り返った。覚えていないことは親に聞いてみたり。見えを張らずに、自分自身と向き合うのが大切。
--マナーなどで気を付けていることは何ですか。
E お世話になった企業の方への、お礼のメールや電話は徹底していた。
B 一緒に働きたいと思ってもらえるように身だしなみを整えている。履歴書に貼る写真は、少しでも自信が持てるようなものにしたくて自分で頑張ってメークした。
--就活を始めてから気づいたことは何ですか。
B 他の人にとって良い会社が私にも合うわけじゃない。行ってみたらフィーリングに合わないってこともたくさんある。
E 志望業界には女性は少ないと思っていたけれど、実際は女性でも活躍できる場だった。
--就活で大変なことは何ですか。
A 試験と違って落とされた理由が分からないことがつらかった。どこを改善すればいいのか分からない。
B 体力を使う。疲れると精神的にも安定しなくなる。
C 交通費もばかにならない。飛行機で東京から大阪まで行かないといけないこともあった。
--ストレスも多いと思います。モチベーションやメンタルの保ち方を教えてください。
C 人と会って話すこと。なんでも話せる相手がいるとよい。自分だけでなく皆大変なんだな、ってことが分かる。
A 趣味の時間をちゃんとつくるようにしている。この映画を見るために頑張ろうとか。
B 朝ドラを毎日見てルーティンを整えている。就活中は生活リズムがなくなっちゃうから。
--我々3年生は就活スケジュールの撤廃もあり、不安でいっぱいです。後輩にアドバイスをお願いします。
E 撤廃されればインターンなどで早い段階から選考が堂々と始まるはず。早めに企業にアピールすることが大事かも。
A 行きたい業界が決まっていないなら、いろいろな社会人の方の話を聞いたりして、業界のイメージを固めておくことが大切かな。
C 自分が将来何をしたいか、何に心を動かされるのかを見つめ直す機会を持っておいたほうがよい。
D 結局は経験がものをいう。せっかくの大学生活。就活にすべてをささげるより、自分のやりたいことをやるのが就活につながるはず。
B つらくなることがきっとあるから、支えになる味方を増やすこと。今まで積み上げてきたものは、就活がうまくいかなくても崩れることはないから。よりどころを持っておくことが大切かな。
--ありがとうございました。
■ 就活スケジュールの変更
経団連は主導してきた就活スケジュール(3月1日企業説明会解禁、6月1日採用選考解禁)を2021年春卒業生(主に現3年生)以降は策定しない方針を決定。これに対し政府は同年以降も、現行日程の維持を経済・業界団体に要請している。だが違反に対する罰則はなく、インターンなどを通じた早期採用や通年採用の動きはさらに強まるとみられる。
●就活生のプロフィル(大学・性別・志望業界)
A=私立文系・女子・エンタメ
B=私立文系・女子・メーカー
C=私立文系・男子・エンタメ
D=国立文系・女子・マスコミ
E=私立理系・女子・建設