すたこら 今を生きる

すた・こら

私の座右の銘は「今を生きる」。中学生の頃からだったか、座右の銘を聞かれると決まって口にしてきた記憶がある。

 思い返せば、小学生の頃から常に憧れの人がいた。学校の先輩、テニススクールのコーチ、学外プロジェクトで出会った元政治家の講師。目標とする人物を追いかけることで、夢中になって自己研さんに励んできた。さまざまな人から魅力的なピースをもらって自分を形づくる月日を経て、今この瞬間を懸命に生きる人でありたいと心から望むようになった。

ご縁に恵まれてきた私だが、どんな時も心の奥底にあった最大の憧れは父だった。自分に厳しく、他者には愛情深く、義理堅い。幼い頃から、こんな人間になりたいと素直に思えるすてきな姿を間近で見せ続けてくれたことに深く感謝している。

 そんな父は、私が高3だった年の冬に病で突然この世を去った。最愛の人を失ってできた心の傷は、1年半たった今もひどく痛む。それでも彼の娘として恥じない私でありたい。その思いは、私の中で大きな原動力になっている。

近ごろますます父に似てきた自分の顔を鏡で見るたび、気持ちが引き締まる。ふとした仕草や、物事に向き合う時の考え方も似てきた。私の中に父が確かに息づいていることを感じてうれしくなる。進路に悩む毎日だが、どんな道を選んだとしても周囲への感謝を忘れずにいたいと思う。そして誠実に、自分らしく今を生きていくことを改めて自分に誓いたい。

 お父さん、ありがとう。【慶応大・渡辺佳奈】

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