飽き性の私が、唯一長く続けることができたものがある。それは、父の影響で始めたサッカーだ。私の父は地元では名の知れたゴールキーパーだ。そんな父に連れられてボールを蹴ったのが始まりだった。小中高とサッカー部に所属した私にとって、サッカーは日常の一部となった。朝から晩まで練習に明け暮れた日々を今では懐かしく思う。
ただ、好きでのめり込んだのかというとそうでもない。成り行きで12年間も続けたが、本来の私は勝負事が苦手な性分ということもあり、スポーツにあまり関心を持つタイプではない。そのため、大学ではスポーツとは無縁の学生生活を送ると考えていた。
しかし昨年の春、友人の「部活を手伝ってよ」という何気ない一言から、私は中央大のスポーツ新聞部に所属することになった。スポーツ新聞部は、同じ中央大の運動部の活躍ぶりの取材、記事執筆から新聞づくりまで、すべての作業を学生のみの力で手がけている。プレーする側だった私にとって、記者として試合会場に足を運ぶのは新鮮だった。
特にサッカーの取材は、高校時代で一度は縁が切れたサッカーと、私を再び結びつけてくれた。この競技の魅力を、記者としてより多くの人に届けられることを光栄に思う。関わることがないと思っていたサッカー。記者として活動した1年近くの間に、サッカーを通して多くの人と出会うことができた。スポーツは人と人をつなぐ。人生何が起こるかわからないものだ。【中央大・朴泰佑】