幼い頃から空想が好きで、よく「if」の世界のことを考えていた。
もし、動物と話せたら。もし、超能力を持っていたら。そんな空想に浸り、万能で無敵な感覚を得るのは、私にとってこの上ない娯楽だった。ただ、今思えばこれは現実逃避に近く、現実世界に戻った後に、空想とのギャップに絶望感を抱くこともあるのだが。
そんな悪い癖は現在も抜けておらず、授業中や通学時などにたまに考えるのだ。もし、あの時あの大学を選んでいたら。もし、共学の大学を選んでいたら。今の自分はどんな感じだったろう――。
でも、昔みたいに長々と空想に浸ることはない。もしそうなったら、私は大好きなサークルの仲間にも会えず、もちろんこのキャンパるに入ることもなかっただろう。そして、恩師とも呼べるゼミの先生に出会うこともなく、就職活動をおろそかにするほど熱中する専攻にも出合えていないのだから。
人生において、100%正しいと言い切れる選択など無いと思っている。そんな私だが、今の大学を選んだ道は、100%間違っていないし、絶対に後悔しないと誓える。選んだ時は合っていたか分からなかったが、振り返ってみれば合っていた。直感と行動力で、満足いく環境をつかみ取ってきたことを振り返ってうれしく思う。
この道で出会った人たちとの縁を抱きしめて、抱きしめて、残り少ない大学生の時間を駆け抜けたい。本当に楽しいんだ毎日‼【昭和女子大・薄井千晴】