掲載開始以来34年の歴史を数える「キャンパる」は、今回が夕刊での最後の掲載となる。4月からは朝刊(東京本社版)の一部地域面に活躍の場を移す「キャンパる」の、これまでの足跡を振り返った。
「キャンパる」は1989年2月4日の土曜夕刊で「創刊」した。学生記者が自分自身で取材したいことを提案し、学生同士議論した上で記事化するか否かを決定。取材・執筆も学生自身が行う。このスタイルは、創刊以来ずっと守り続けてきた。
学生記者が団結して取り組む2大特集が、夏の「戦争と平和を考える」特集(90年開始)と、冬の「箱根駅伝」特集(2002年開始)だ。記者が卒業で入れ替わっても、長年書き継いできた伝統企画は数多い。
そんなキャンパるにとって最大の危機となったのは、20年に感染者が急拡大した新型コロナウイルスだ。対面での活動が難しくなり、会議や取材をオンラインで行うことを強いられた。しかし、そのような制約が多い状況下でも萎縮せず、紙面づくりを続けてきた。
さらに近年は紙面を飛び出し、「毎日新聞デジタル」サイトで全国に向けて情報発信する取り組みを強化。デジタル版限定の記事や、紙面では読めない情報を盛り込んだ記事も随時配信している。朝刊移行後も、学生ならではの視点や感性を大切にしながらより良い記事を発信していきたい。【上智大・古賀ゆり】