知る楽しみ経験したい
「日本の総理大臣は何年に1度代わるの?」。短期留学していた際にフランス人のルームメートに聞かれた。私は答えられなかった。学校で習ったはずだが思い出せなかったのだ。一方でルームメートは自分の国の政治だけでなく近隣の国の話もしてくれた。無知な自分が恥ずかしくなった。
そんな私も4月から家でとっている新聞を読むようになった。私にとって信頼できる情報源は新聞。新聞を読めば日本や世界で起きていることを少しは理解できるのではないかと思ったのだ。
読むのに時間はかかる。しかし自分の知らないことを知る機会が増えた。紙をめくり活字を読むのも、スマホに慣れた手と目には新鮮である。普段は、すばやく大量の情報を得ることが多い。そのため時間をかけることにひかれるのかもしれない。
春になり気持ちも一新して始めたこの日課。きっかけをくれた異国の友人に感謝である。これからも「知らないことを知る」楽しさを経験していきたい。【法政大3年・平林花】
激浪の未来へまず一歩
大学生活も大詰め、というこのタイミングで、私は「キャンパる」の門をたたき、さらには、9月から留学に挑戦する。
かねて、日本を出て海外で学びたいという思いはあった。しかし気持ちが曖昧で、ずっと踏ん切りがつかずにいた。そんな時に、ある学生が後押ししてくれた。
学内で出会った彼は、自分が必死に稼いだお金で、世界一周を成し遂げていた。自分の目で見てきた世界を語る、彼の目は輝いていて、私も自分の目で世界を見渡したいと改めて思ったのだった。
それからすぐ留学を決心し、中央ヨーロッパのスロベニアを選んだ。元々、ヨーロッパには文化的にも政治的にも興味があった。日本人の枠から飛び出したいと思っていた私には、うってつけの留学だ。
「キャンパる」と留学への挑戦。激浪の未来が見えるが不安は全くない。ただ、新たな挑戦に心が躍ってやまない。【東京外国語大4年・田中純名】
目の前のことを大切に
こんな話を聞いたことがある。孔子は酷使されている1頭の牛を見て、その牛を助けようとした。けれど孔子の弟子は、たくさんの牛が同じような目に遭っているのだから、1頭だけ助けても仕方がないと言う。それに対して孔子は、自分の目の前にいて苦しんでいるから、その牛を助けるのだと返したそうだ。
目の前のことを大切にしないことには、より大きなことを大切になどできない、そんなメッセージが込められているエピソードだと感じた。
大学生になってから、将来のことは考えるけれど、学校の課題など目の前のものはおろそかにしてしまうことが多くあった。今やるべき目の前のことを一生懸命やる。それがきっと積み重なって未来につながる。そんな当たり前のことを昔聞いた孔子の話が、思い出させてくれた。
キャンパるについてもそうだ。今自分にできることをやる。そしてそれらが積み重なって、自分にも記事が書けたらいい。そんなふうに、今思っている。【東京大3年・高橋瑞季】