年の瀬が近づき、この1年を振り返るとともに新年やるべきことに思いをはせる人はきっと多いはず。「キャンパる」編集部にも、これからの活躍が楽しみな新たな仲間が加わった。学生記者として歩み始めた3人に、「今、思うこと」をつづってもらった。
限界を超えれば夢に近づく
えいや、と身一つで飛び込んだ留学。4カ月の海外生活を終え帰国したのは、ちょうど去年の今ごろだ。実家暮らししか知らない自分が、遠いアメリカの地で暮らす姿は、正直出発前には想像できなかった。しかし飛行機の乗り継ぎやルームシェア、あらゆる初めてを乗り越えて気が付いた。私、やればできるじゃん。
やりたいことに挑戦できる友人たちをまぶしく感じた時期もある。だが「自分にできるのはここまで」と、勝手に限界ラインを引いていたのは自分自身だった。
飛び越えたい限界がもう一つある。高校生の頃から人権問題に関心があった。学校で貧困や戦争について熱心に学んだが、その度書いた作文はいつも同じ結びになった。「まずは知ることが大切だと思います」。一学生が学ぶ以上の何ができるわけでもないと信じていたからだ。
しかしこの限界ラインも、自分で勝手に引いていただけかもしれない。記者になりたい夢が明確になった。声なき声を拾い上げる。すごく責任の重い仕事だ。それでも私がやりたいんだと、挑戦できる今が楽しい。【上智大・石脇珠己】
いつか自分を愛せるように
今の私の天敵は、孤独。就職活動を始めた時からか、ふとした瞬間、強烈な孤独感や寂しさに襲われることが増えた。
人とのつながりを求め、友人に会ったり、人混みに行ったり。しかし何をしても寂しい。思い切って孤独であることを認めてみた。私、一人きりなんだ、寂しいんだ。ずっと目をそらしてきたものを認めた途端、いくらか心が楽になった。
今月のはじめ、孤独感や寂しさを文章にしてみた。自分と向き合うことはしんどかったが、何とか5000字のエッセーを仕上げた。不思議なことに、自分の経験したことや感情を、偽りなく正直に書くことで、いくらか心が楽になった。
この「いくらか心が楽になった」の繰り返しで、私は何とか生きている。それは自分を肯定するための手段だった。そしてそこには確かに喜びがある。
活字で記録すること。これは私の生きた証しを残す手段なのだと、最近思う。これからも、この手間を惜しまず、自分が生きた証しを記録し続けたい。その先で、いつか自分を愛せる人間になりたい。【立教大・宇野美咲】
思い描いた20歳になりたい
もうすぐ、10代が終わろうとしている。時の流れの速さ、そして想像していた20歳と、現実の自分とのギャップに正直とても戸惑っている。
私が子どもの頃に思い描いていた20歳はもっと大人で、自信にあふれる存在。でも今の私はそんな想像とは程遠く、自分自身を、ありきたりの日常をどうしても物足りなく感じてしまう。自分はこのまま無難に大学で授業をこなし、何か頑張ることがないままでいていいのだろうかとずっと自問自答してきた。
「キャンパる」に入ったのは、そんな中途半端な毎日に区切りをつけたかったからだと思う。興味のある事柄を取材し、自らの言葉で発信できる機会は自分の可能性を広げてくれる気がした。
幼い頃から新聞に慣れ親しんできた私は、学生が作る「キャンパる」が、中学生の頃から好きだった。その書き手になることに不安がないわけではない。それでも今自分にできること、わくわくすることに挑戦し続ける、あの頃思い描いていた20歳に少しでも近づくきっかけになればと思う。【日本女子大・大牛愛子】