利点あるが4割利用せず
就活生が企業の情報収集に奮闘するこの時期。各大学のキャリアセンター(就職支援課)も、さまざまな支援方法で学生をサポートしている。そこで、キャンパるネットワークを活用し、就職活動を経験した大学4年生・大学院2年生56人にキャリアセンターの活用状況について聞いてみた。(カッコ内は、大学名・性別)
就活を終えるまでキャリアセンターを利用したと答えたのは全体の2割。具体的にどんなサポートを受けたのか聞くと、「個別面談」や「エントリーシートの添削指導」という回答が大半を占めた。大学によっては模擬面接体験や就活メーク講座、業界地図など就活に特化した書籍の貸し出しサービスもあるという。
こういった場を活用する中で、「客観的な目線でアドバイスをもらい、エントリーシートのブラッシュアップを重ねられた」(千葉・女)と、実際に効果を実感する人や、「相談することで気持ちが楽になった」(龍谷・女)とメンタル面でも助けられたという人もみられた。
一方で、センターに対する不満の声もある。「面談の予約が取りづらい」(都留文科・女)という意見が多数挙がった。いつも予約でいっぱいだったり、他の学生との兼ね合いで利用後約1週間は再予約ができない大学もあったりするようだ。ふらっと立ち寄っても相談できる環境を求める学生が多い。
また「就活の学内イベントが授業の時間とかぶっていた」(日本・男)といった時間設定に対する不満や、「相談員が選べない」(宇都宮・男)など、自分と相性の良い人を指名できるシステムにしてほしいという回答もあった。
逆に、センターを一切利用しなかったと答えた人はなんと全体の4割。一度だけ利用して通うのをやめた人も2割を占めた。そもそも存在を知らなかったという意見や、「行きたい時間に受け付けしていなかった」(法政・女)という不満も。部活や授業で忙しい学生には、なかなか時間を作って利用しに行くのが難しいようだ。
では、学生はどんなサポートを望んでいるのか。「学内のサイトでウェブテストの模擬試験を受けられる」(立命館大大学院・男)、「エントリーシートをオンラインで添削してもらえるサービス」(明治・男)、「営業時間外にもメールで質問できる」(法政・女)などの声が上がった。やはり場所や時間に関係なく利用できるサポートの充実を、就活生は求めているのだろう。
最後に、自分の大学ならではの特色あるサポートを聞いてみた。「気になる業界で働く大学OGと会わせてもらえるメンター制度」(昭和女子・女)、「就活を終えた4年生が個別で相談に乗ってくれる企画」(早稲田・女)など、就活を経験した先輩からじかにアドバイスをもらえる場づくりなど、各大学で独自の支援も始まってきているようだ。
記者も就活中はキャリアセンターを利用し、相談員の方に精神的に支えてもらった。学生にはぜひ身の回りのさまざまなサポートを試しながら、納得いく就活をしてもらいたい。【成城大・風間健、イラストは立教大・明石理英子】