すたこら 大学生らしさ

すた・こら

「大学生らしくないね」。私は周りの人からよくそう言われる。「余計なお世話だな」と内心は思いつつも、いつも笑ってその場をやり過ごす。

 確かに心当たりはある。私は髪を派手な色に染めたり奇抜な髪形にしたり、はやりの服に身を包んだりすることに、全く興味が湧かない。同世代が熱中している音楽やネット動画などのトレンドも、あまり分からない。学生同士の話題によくのぼるお酒も、からきし弱い。SNSも少しは使うものの、日々の情報源は基本的に新聞やテレビ、ラジオだ。「生まれてくる時代を間違えたんじゃない?」。周りにそうからかわれる始末だ。

 「大学生らしさ」とは何なのだろうか。私は私なりに、例えば趣味の合う人と好きなテレビやラジオの話題で盛り上がったり、将来就きたい仕事について志望が同じ学生と語り合ってみたりと、自分流に学生生活を楽しんでいるつもりだ。おのおのの好きなことが尊重され、やってみたいことを存分にやれることが大学生の特権であり、大学生らしいことなのではないだろうか。

 大学は、さまざまな場所から多様な人々が集まってくる場所だ。高校までとは違って、画一性が求められる場面はほとんどない。大学生のあり方にだって、多様性があってもよいではないか。しかし、そんな大学生活も後半に入り、社会に出る準備をしなければならない時期に来ている。画一的な見方に惑わされず、自らの目標の実現に向かって行動していきたい。【日本大・畑山亘】

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