写Now コロナ下の大学、変わる日常 発声OKの自習室

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 新型コロナウイルスの感染拡大により、大学で一般的となったオンライン授業。東京都杉並区の明治大学和泉キャンパスでは昨年度から、通常は自宅など遠隔地で受講し、発声を伴うことが多いオンライン授業を、大学内で受講することができる自習室を設けている。

 自習室は元々、コンピューターを使った語学自習のための部屋だった。各席にパソコンが常設されている特徴を生かし、オンライン授業の受講環境を整えるために、この自習室が整備された。

 不特定多数の利用者が使う勉強スペースは、静寂な環境を保つため発声できないケースが多い。ただオンライン授業には、対話形式で学生からの発言が必要な授業もある。このため、同自習室では室内全体で発声できるようにした。予約なしで利用でき、座席は感染状況に応じて間引きされている。

 座席の前面には大きなパソコンモニターがあり、マイク付きのヘッドホンが用意されている。個々の座席は仕切り板で区切られているので、他の人の声が聞こえづらく、自分の授業に集中しやすい。

 同大ではオンライン授業と対面授業が併用されているが、学内での対面授業の前後にあるオンライン授業は、自宅で受講しにくい。このため、同キャンパスに通う記者自身も、発声できるこの自習室で対話形式のオンライン授業を受けられるのは、かなり便利であると感じている。

 自習室を管理する同大の和泉メディア支援事務室は、着席者の有無を自習室の入り口のモニターで表示。混雑状況が一目でわかるようにしており、利用者が多い場合、他の教室を開放して密を防ぐ工夫もしている。来年度も同大の活動制限方針などに応じて柔軟に対応していく方針だという。【明治大・奥津瑞季】

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