読見しました 空振り上等

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「よっしゃ! 特大のホームランを狙うぞ!」と意気込み、きょうもバッティングセンターに一人足を運ぶ私。お金を入れて、打席で構えるも、10回連続空振り。恥ずかしさとおかしさで思わずにやけてしまうが、ジャストミートした時は大興奮。やり切った感を感じつつ引き揚げるのがとても爽快で、ストレス発散になっている。

 この快感にはまる前、私は「病み期」というやつに突入していた。就職活動の前哨戦、インターン参加を目指してひたすらエントリーシートを提出するも、通らない。自分なりにやり方を工夫したが、通った数は提出した数より圧倒的に少ない。しかも、出会いに期待した就業実習はオンラインに変更。意気込んでいた当初の気持ちはどこへやら。気持ちは沈み、何をしても全てダメな気がしてしまっていた。

 そんなある日、就活イベントの後になじみのバッティングセンターに寄った。バットを振るも空振り続き。もう、ラスト1球。そう思っていた時、「カキーン!」。まさかのホームランに驚いたが、体にたまっていたモヤモヤが一気になくなった。そして、この1発が立ち直るきっかけになった。

 つまずいても逃げ出すのではなく、歩み続けるその勇気が大切だと気付けた。空振りしたって、振りにいく根性があるだけ「伸びしろ」はあるはず。さあ、私の快進撃はここからだ。【東洋英和女学院大・柳明里、イラストも】

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