聞いてみました コロナ下の新歓事情 今年も多くが非接触 ゲーム企画など工夫も

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 昨年度と異なり、多くの大学が無事に対面での入学式を履行できた2021年度。昨春の緊急事態宣言発令で満足のいく部員募集を行えなかった大学の団体・サークルは、新入生歓迎会(新歓)活動を本格化させたい頃だろう。新型コロナウイルスの猛威が収まらない中、学生は制約とどう向き合い、知恵を絞っているのか。「新歓をする側」である上級生(2~4年生)に尋ねてみた。

 アンケートには21人が回答した。まず昨年度の新歓の手法について尋ねたところ、15人、7割が「オンラインツールを使った説明会」を行った、あるいは同会で説明を受けたと回答。「SNSの情報発信及びメンバー募集」も7人と、次いで多かった。一方、運動部では「検温や時間制限を徹底した体験会に参加した」(2年)、「少人数でのご飯会に行った」(2年)など、感染に注意を払いつつ対面の新歓を行った団体も見受けられた。

 今年度も、前年に構築された「非接触、オンラインベースの新歓を踏襲する」との回答が16人と、8割近くにのぼっている。ただ、新歓を昨年度受けた側には「大勢の中の1人という感じではなく、1対1で話している感覚が欲しかった」(環境系サークル2年)という不満もあった。このため今年度は、画面越しでも「入って来たいという人に一人一人しっかりと対応している」(バレーボールサークル2年)などと、新入生に親身に寄り添うことを心掛ける団体が多い。

 一方、新機軸として「オンライン新歓でゲーム企画を実施して、非対面で渡せる賞品を用意した」(学祭実行委員2年)など、新入生に逃げられないよう工夫を凝らす事例もあった。

 ただ、やはりコロナの影響は大きい。回答では「大学による活動の制限が多すぎる」(ラグビー部2年)、「昨年度、正式入部を大学から禁止され、残った少数のメンバーに多くの負担がかかっている」(インカレボランティアサークル4年)など、大学側とのあつれきを嘆く声が多く上がった。「オンラインでしか会ったことがないメンバーと新歓に向けた準備をするのはやりにくいし、タスクだけがたまって憂鬱になった」(学祭実行委員2年)という声もあった。

 また別の困りごととして、「ご飯会などを真面目に自粛しているサークルが損をする構図になっている」(テニス部2年)と、不満を募らせる声もあった。活動自粛ルールに従わない事例が見られるようだ。一方、昨年にオンライン新歓を受けた2年生からは「危険なサークルを見抜くことが難しく、安全面で不安だった」という指摘もあった。画面上の説明だけでは団体の活動実態が見えにくくなっているのは明らかだ。

 記者も課外活動団体に所属しているが、今まさに新歓をする側として奮闘している。感染の怖さの中、団体存続の危機に直面し、どの大学の学生も試行錯誤していることを身に染みて感じた。【千葉大・谷口明香里】


新入生歓迎、キャンパる編集部

4月中は参触加者を絞り、オンラインツール併用で実施したキャンパる編集会議=毎日新聞東京本社で
4月中は参触加者を絞り、オンラインツール併用で実施したキャンパる編集会議=毎日新聞東京本社で

 今回は、我が「キャンパる編集部」も新歓をさせていただきます。

 キャンパるは、1989年2月に毎日新聞夕刊で始まった、学生記者が作る紙面です。現在は、首都圏の大学などから集まった学生約20人で構成し、社員の編集長が監修しています。

 学生記者は、自分の興味・関心のあることを自ら取材し、記事を書きます。こだわって書き上げた記事やコラムは、毎日新聞の第2、第4火曜日の夕刊に掲載されます。最近では、毎日新聞ウェブ版への先行掲載、ウェブ版のみの掲載と、デジタル領域での活動も広がっています。

 記事が掲載されるまでは、多くの過程を経なければいけません。毎週火曜日に開く会議で書きたいテーマを持ち寄り、学生同士の率直な意見交換で厳しくもまれ、選ばれた題材だけが紙面化されるのです。取材、執筆に移っても、編集長のOKが出るまで、何度も原稿をやりとりします。手間はかかりますが、その分、掲載されたときの達成感はひとしおです。

 戦争企画や箱根駅伝特集など、チーム一丸となって取り組む取材もあります。

 コロナ禍にもめげず、知恵を絞って活動を続けています。少しでも興味を持ってくださっていれば、ぜひ一度見学に来てください! 詳しくは https://my-campal.com/2021/03/17/recruitment/ 【日本女子大・鈴木彩恵子】

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