2019/09/17 写Now

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浅草サンバカーニバル ICU LAMBS 主役はあなた、冒険の旅へ

 今年も躍動感あふれるサンバの祭りが晩夏の下町をにぎわせた。先月31日、東京・浅草の馬道通りから雷門通り(東京都台東区)にかけて開催された「第38回浅草サンバカーニバル」。そこに大学のサークルとして唯一出場しているのが、ICU LAMBS(ラムズ)だ。他大学の学生もいるが、メンバーのほとんどは国際基督教大学(ICU)の学生たち。出場回数は今年で16回目となる。

 浅草サンバカーニバルは、1981年に始まって以来、毎年続く催しだ。近年では約50万人もの観客を集め、今年の参加者は約20団体、5000人に及ぶ。この日もユニークで華やかな衣装を身にまとったダンサーたちが、浅草の街を色鮮やかに染め上げていた。

 パレードでは、パフォーマンス内容を競い合うコンテストも見どころの一つ。ラムズは8団体が出場するS2リーグ(二つあるうち規模の小さいリーグ)で見事、優勝に輝いた。ラムズの今年のテーマは「エルドラドへの冒険」。エルドラドはスペイン語で黄金郷の意味だ。

 ラムズによるパレードで、ひときわ存在感を放っていたのは、色とりどりの羽根が魅力的な女性ダンサー。彼女は女王として、緑色の植物に扮(ふん)したバテリア(楽器隊)を率い、わさわさとしたジャングルを表現した。最後を飾るのは、きらびやかな黄金パート。太陽の光を受け、輝きを増した衣装で、堂々とパレードを締めくくった。

 今年のテーマについて、ラムズの総監督を務めた高城彰玖さん(国際基督教大2年)は「観客が主人公となって冒険してもらいたいと思った」と振り返る。その思惑通り、沿道に詰めかけた観客は、冒険に胸を弾ませるかのような表情でパレードに見入っていた。

 当日は天候にも恵まれ、浅草の街はたちまち情熱的なサンバの舞台に。その陽気なリズムに、記者も思わず体を揺らしてしまうほどだった。【東洋大・荻野しずく、写真は津田塾大・畠山恵利佳】

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