2019/09/10 すたこら

引け目

 私は3人姉弟の長女。春から3歳下の妹は大学生、6歳下の弟は高校生になった。最近はなかなか時間が合わないが、一緒にいる時には近況報告をして笑い合う。一番身近にいる友だちのような存在だ。

 今では仲良し姉弟だが、ずっと2人のことがうらやましく、引け目を感じていた。吹奏楽部で東日本大会まで進んだ妹。身長も高く勉強の要領も良い。弟は文武両道。持ち前の負けず嫌いな性格で何事も人並み以上に成し遂げた。対して、私は全てにおいて平均かそれ以下。同じ環境で育ったはずなのに、と考えた日は数知れない。

 私にできないことを次々と成し遂げる妹弟。きっとこの先、私は2人のような功績は上げられないだろう、と思っていた。でも、高校生活が終わる頃、「妹弟は妹弟。私は私」とひらき直ってみると、次第に気持ちが前向きになった。そして大学に進学する時、これからは妹弟や周りと比べるのではなく、自分のことをみつめ胸を張って日々を過ごしていこうと決めた。

 それからは毎日が自分とのにらめっこ。身長は高くはないが既製品はばっちり着こなせたり、勉強はまずまずだったが家事は得意だったりと、自分の中にも胸を張れる部分はあった。段々と2人と肩を並べられる自信がついた。

 良いところも悪いところも引っくるめて、私は私。そんなふうに思えるようになったのは、妹と弟がいたから。これからも時々ケンカをしつつ、一緒に成長していこうね。【昭和女子大・小林千尋】

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